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第16夜「ビッグマッチ」

「その女は誰なの?」レナを押し倒した状態で少女がソフィアを見つめながら言う。


「彼女はソフィア、新しくラビット・ヘブンに入った子で私のパートナーなの」レナが説明すると少女がさっきまでの殺気を込めた表情を緩め笑顔になる。


「そうなんだ~、私てっきりレナに彼女が出来たのかと思って嫉妬しちゃったよ」少女はレナから離れるとソフィアの元へと歩いて行く。


「は、初めまして私ソフィア・ルチアーノっていいます。よろしくお願いします!」ソフィアが握手を求めて手を差し出したのだが、少女はそれを意に介さずソフィアの懐へと入り込む。すると突然ソフィアの胸を揉みしだく。


「んっ、、ちょっといきなりなにするの!」ソフィアが引き離そうとするが少女は構わずソフィアの身体中を弄る。


そしてひとしきり触るとやっとソフィアを解放する。


「いきなり何するのよ!」頬を紅潮させてソフィアが身体を隠しながら後ずさる。


「合格!君も中々良いもの持ってるし仲良くしようよ、私の名前はデイシャ・パーティよろしくねソフィア!」


デイシャがにこやかに手を差し出す。ソフィアも警戒しながらも手を差し出すと二人は硬い握手をする。


「驚いた、初対面でデイシャに気に入られるなんてレナ以来じゃないかい?」一連の流れを見ていたベロニカが言う。


「そうかな?私は誰にでもフレンドリーだよ?」


「どうでも良いけど毎回来るたびに押し倒すのいい加減止めてくれない?」レナが睨み付けながら立ち上がる。


「ごめんなさい!私、好きな人を見ちゃうと興奮しちゃって暴走しちゃうの。」デイシャが申し訳無さそうにレナに近付く。


「だから、私からのお詫び受け取って?」デイシャがレナに濃厚なキスをお見舞いする。


「だから!いきなり変な事しないでよ!」レナがデイシャを突き飛ばす。


「もうレナったら照れちゃって、レナが良いなら続きはベッドに行こう?」デイシャが頬を赤らめながら言うのを見てレナが顔をしかめながら溜息をつく。


「釣れないなぁ〜それじゃあおふざけはここまでにしてベロニカに聞きたい事があるんだ」


「君の対戦相手の件かい?残念だけどオファーを出した全員から拒否されたよ」ベロニカが答えるとさっきまでにこやかだったデイシャの態度が変わる。


「ハァ?ふざけてんじゃねえぞ!相手を探して来んのがアンタの仕事だろ!?このままお預けばっかり食らうんならもう好きにさせてもらうぜ?」


デイシャが暴言を吐きながらベロニカに詰め寄る。


「相手が居ねえならアンタでも良いんだぜ?」


「君のそう言う所が敬遠されてるんだよ、対戦相手を必要以上に攻撃して再起不能にするし、観客の野次を聞いたら直ぐに噛み付く物理的にね。今まで庇って来たけど今回ばかりは僕の手にも負えないよ」ベロニカが溜息交じりに諭すのを聞きデイシャが見る見る大人しくなって行く。


「だって弱いのが悪いじゃない、弱肉強食のこの世界生き残りたいなら強くなるしかないって貴方も言ってたでしょ?」デイシャの言い分を聞きベロニカも首を振る。


「僕の育て方が間違ってたみたいだね、あの頃の無垢な天使に会いたいよ」二人のやり取りを見ていたソフィアがレナに聞く。


「あの子ちょっと変わってるね、何ていうか本能で動いているっていうか」


「ソフィアの想像通りデイシャは13歳までハーレム街のストリートキッズだったんだ、それをベロニカに拾われて今では闘技場の新チャンピオンになってるんだ」


レナの説明を踏まえて見るとデイシャの白い肌には所々擦り傷や刃物で斬られた様な跡等身体中に経歴が刻まれていた。


「それじゃあこう言うのはどう?丁度レナも居るし過去の因縁を断ち切るビッグマッチをしない?」


デイシャがレナにウィンクしながら言う。


「え?嫌なんだけど」


レナが明確に拒絶するのを無視するかのようにベロニカもデイシャの話に賛同する。


「つまり君はかつて私が敗れたラビットへのリベンジマッチをしてくれるんだね?」ベロニカは過去に敗れたマリアを思い出しながら目を輝かせる。


「そう言う事、2代目チャンピオンの私と2代目ラビットを襲名したレナ。新旧因縁のある私達ならではのマッチメイクだと思わない?」


「だから嫌って言ってるじゃんそれに勝手にそんな事やったらマリアが黙って無いよ」レナがソフィアにもたれ掛かりながら言う。


「話は一通り聞かせて貰ったよ」聞き覚えのある声と共に部屋の扉が開かれる。


「久しぶりだねマリア、それといつ見ても美しいよアンナ」ベロニカが深々とお辞儀しながら出迎える。


「久しぶりベロニカ、あの夜以来だね」


「お久しぶりですねベロニカ、相変わらず紳士ね」


二人が入るなりレナとソフィアが駆け寄る。


「何でマリアとアンナさんが居るの?」


「もしかして私達何か問題でもおこしちゃいましたか?」二人が恐る恐る聞くと二人が優しく微笑む。


「心配無いよ少し帰りが遅いから迎えに来たんだ」


「姉さんったら二人の帰りが遅いからソワソワしだしてねそれで二人で迎えに来たの」


二人は監督の長話のせいで予定よりも大幅に時間を無駄にした事を思い出し溜息をつく。


「あれがベロニカが負けた女?」


「そうだけど、まさかデイシャ止めるんだ!」


ベロニカの制止を無視してデイシャがマリアに仕掛ける。


「随分と元気な娘だね、でもまだ甘い」マリアはデイシャの蹴りを片手でいなしその勢いを利用してデイシャの身体を地面に叩きつける。


「強いね〜今度私とやらない?」


「君も中々やるね、私の部屋に来るなら相手してあげるよ」地面に叩きつけられたデイシャはマリアの腕に巻き付き体重を掛ければいつでも折れる体勢に持ってきていた。


眼前で行われる高度な攻防を横目にアンナが手を叩きながら仲裁に入る。


「二人共そこまでにして今日は二人を迎えに来ただけでしょ?」アンナに諭され二人が力を抜き離れる。


「マッチメイクの話だけど日を改めても良いかな?」


マリアが二人を抱き寄せながらベロニカに聞く。


「ああ、ここのボスは君達だからねいつでも待ってるよ」


「ありがとう、それじゃあそこの可愛いチャンピオンもまたね」


「私の名前はデイシャ・パーティ以後お見知りおきを」


デイシャも会釈しながら名乗る。


「またねデイシャちゃん今度うちに遊びに来てね」アンナがにこやかに手を振りながら闘技場を後にした。


「二人共心配してたんだよ!?もし君達に何かあったらと思うと」マリアが珍しく?今にも叫び出しそうな声で言う。


「心配掛けてごめんねマリア、これ今月の上がりだよ」


レナが集金袋を渡す。マリアが受け取ると中に入っていた小切手を二つ取り出し二人に渡す。


「え?こんなに貰えませんよ!」


「マリア、こんなに貰う程仕事してないよ?」


二人が小切手を返そうとするが受け取る素振りすら見せない。


「それは私とアンナからの臨時ボーナスと思ってよ今回はかなり働かせちゃったからね」


「私と姉さんからの気持ちと思って」


二人に言われ申し訳無さそうに受け取る。


「それじゃあ夜も深くなってきたし帰ろうか」


そう言ってマリアが二人の身体を抱き寄せるのだが。


「何でこんなにくっつくんですか?」


「そうだよちょっと離れてくれない?」


二人が少し拒否する。


「何でだい?二人共今日はよく働いてくれたし私からの感謝を込めて飲もうよ!」


「気持ちは嬉しいんですが私疲れて寝ちゃうと思うんで遠慮しておきますね」ソフィアは嫌な予感がしやんわりと断る。


「心配要らないよ飲む場所は私の部屋だからね途中で寝ちゃってくれた方がむしろ、いや寝ててもいいからさ」


マリアの本音が少し聞こえた様な気がして悪寒が走る。


「もしかしてマリア、私とソフィアを持ち帰ろうとしてない?」レナが確信を突きマリアの表情が固まる。


「そ、そんな事ないよ、私は二人を労おうと思って言ったんだよ」マリアの声がうわずるのを聞き二人がそっと離れる。


「何で離れるんだよ!分かった本音を言うよ今日こそは二人を抱きたいんだお願いだから私の部屋に、、」


最後まで言い終わる前に隣に居たアンナに無言でゴミ捨て場に投げ棄てられマリアが消えた。


「あんな馬鹿姉はほっといて帰りましょう?二人が良いなら3人で朝ご飯でも食べない?」


「「はいアンナさん!」」


3人はゴミ捨て場でもがくマリアを置いて夜明けの歓楽街を歩いて行った。


第16話 完


第17話に続く。

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