第13夜 「外回り」
レナとソフィアの追いかけっこが終わった翌日二人はオーナーであるマリアに呼ばれていた。
「ソフィア昨日はごめんね」
「ううん私こそごめんあんな事聞か無ければよかったよ。」二人は昨日の事を思い出しながら謝る。真っ赤な顔で追いかけるレナと必死に逃げるソフィア二人は偶然居合わせたアンナに止められるまでバニーズ・ヘブン内を駆けていた。発端はレナとマリアの情事を覗き見たソフィアの一言から始まった。「女の子同士って気持ちいいの?」その言葉を引き金に耳まで赤くしたレナに追いかけまわされたのだった。
「流石に昨日の事でオーナーも怒ってるのかな?」
「どうだろうマリアが私達に怒るなんて無いから分からないな」レナとソフィアは覚悟を決めてオフィスの扉を開いた。
「待っていたよ二人共!」オフィスに入ると同時にマリアが二人を抱きしめる。予想外の事に二人が困惑する。
「え?オーナー!?どうしたんですか?」ソフィアが困惑しながら聞く。
「ソフィアったら私の事はマリアと呼んでくれって言っただろう?」マリアが耳元で囁くのでソフィアの身体が少し震えた。
「マリア昨日はごめんなさい、私達がお店の中を荒らしちゃって」レナが申し訳無さそうに謝る。
「そんな事かそれなら大丈夫だよ店ならまた直せば良いからね、それよりもだ私は昨日の騒動の原因を聞いて考えたんだよ」マリアが静かに言う。
「発端は私とレナが愛し合っているのソフィアが見てしまった事からだろう?私も配慮が足りていなかったよ。」
「大丈夫だよ、もうその話は終わったし」
「それに元はといえば私が変な事を聞いてしまったからですし」レナとソフィアがそれぞれ言う。
「いや、今回の件はオーナーである私にも責任がある、そこでソフィアの疑問の解決とレナへのお詫びを兼ねて」二人はまさかと思い顔を見合わせる。
「三人で愛し合おうじゃないか!そうすればソフィアの疑問の答えも分かるし、レナへのアフターケアにもなる」マリアがまた馬鹿な事を言い出した。
「えっと冗談ですよね?マリアさん?」
「そうだよね?流石にそこまで馬鹿じゃないよね?」
二人はそう言いながらマリアの手を解こうとするが、マリアの手はびくともしないそれ何処ろかますます強くなる。
「言っただろう?私は冗談なんて言わない何時も本気さ」マリアはそう言うと二人の耳に吐息を吹き掛ける。
「「ひゃ!」」
二人はその吐息に当てられ腰が抜けてしまう。
「待って!これが初めてなんて嫌だよ!」
「そうだよマリア!いくらなんでもこんな事って」
二人がへたり込んだ姿勢で言う。
「大丈夫君達は何もしなくていいよ全部私がしてあげるから」マリアがそう言いながら近づいた時だった。
「姉さん、レナちゃんとソフィアちゃん来てる?」
アンナがドアを開けて入って来た。
10分後、「「ありがとうアンナさん!」」
「怖かったのねもう大丈夫よ」
アンナに抱きつく二人とオフィスの机に叩きつけられ伸びたマリアが居た。
「今日二人に集まってもらったのは仕事を頼みたいからなんだよ、だから決して変な事はしないと誓おうだから離してくれないか?」マリアが椅子に縛られた状態で言った。
「何が何もしないだこのバカ姉が!二人になんてことしてるのよ!」アンナが激昂する。
「悪かった!ほんの冗談だったんだよ」
「それじゃあ冗談であんな事したんですか?」
「それはそれで傷つくなあ」
二人がわざとカマをかけるとマリアが本音で言う。
「冗談じゃないよ!二人の柔らかな肌に私は夢中さ!今からでも遅くないこの縄を解いてくれ!そして3人で愛し合おうじゃないか」マリアの心からの言葉を聞きアンナが二人ににこやかな笑顔を向ける。
「ごめんね二人共ちょっと席を外してくれる?」
「「分かりましたアンナさん」」
「ちょっと待ってくれ!アンナと二人きりにシナイでくれ!」
「このバカ姉め!二度と粗相がないよう留めてやる!」
二人が部屋を出るとオフィスから凄まじい音が鳴り響いた。
「行こうかソフィア」
二人に来た仕事はこのエリアで商売をしている者たちからの集金だった。
「払わない人には少し痛い思いさせても良いって言ってたけど。」
「良いんじゃない?ここではそれがルールだからね」
二人はそう言いながらネオン街へと入って行った。
第14夜に続く。




