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ラビット•フッカーズ〜裏社会を駆ける二人の兎〜  作者: 二階堂曉


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12/13

第12夜 「追いかけっこ」

「御馳走様でしたアンナさん!」3人は食事を終えると外の通りに出ていた。街にはネオンの光が溢れその中を人々の活気のある声で染め上げていた。


「夜も遅いのにこんなに人が居るんですね」ソフィアは初めて見る歓楽街を目の当たりにし圧倒されていた。


「この辺りは飲み屋も多いからね奥に行く程この街は明るくなっていくのよ」マギーが咥えていたタバコに火を点けながら言った。その言葉通り通りを抜けて奥に進むに連れて如何わしい雰囲気の店が多くなっていた。


「二人共今日は楽しかったはありがとうね」アンナの言葉に二人も「こちらこそ」と返す。3人は談笑しながらバニーズ・ヘブンへと帰った。


「ただいま、それじゃあ今日はここで解散ね明日はお店も休みだから二人共ゆっくり休んでね」アンナは笑顔で手を振りながら自分の部屋へと帰った。


「それじゃあ私達も戻ろうかまた来週ねソフィアちゃん」マギーも優しく言って自室へと帰っていった。


ソフィアも自室に戻り休もうと思い階段を登って行った、そして部屋のドアを開けようとした時に微かに声が聴こえた。耳を澄ましてみると荒い息遣いが聞こえる。それも何だか熱にうなされ苦しんでいる様な声だった。ソフィアは直ぐに声の出所を探したすると声はオーナーであるマリアの部屋から聴こえた。恐る恐るドアの前に立つとソフィアはゆっくりとドアノブを回した。


部屋の中は暖色系の照明に照らされており以前来た時よりも部屋の中がハッキリと見えていた。


「何?この匂い、何だか頭がクラクラする」部屋の中は甘い匂いが充満していて、その匂いに当てられソフィアは自身の身体が火照るのを感じた。ソフィアが気をしっかり保とうと自分の顔を軽く叩いていると。


「ダメ、、もう私、、」


微かに、だがハッキリとレナらしき声が聞こえた。ソフィアはその声が聞こえた場所マリアの寝室へと向かった。マリアの寝室の扉は少し開いておりそこから少し光が漏れ出していた。ソフィアは忍び足でドアに近付き隙間から部屋の様子を確認した。


「あ、ハア、、ハア、、マリア、私これ以上しちゃうと明日の仕事に支障が出ちゃうよ、、」


「そんな事を心配していたのかい?大丈夫だよ明日は久しぶりにバニーズ・ヘブンは休館さだから今夜は心置き無く愛してあげるよ」二人はベッドの上で肌を重ねると優しくも艶めかしい口付けを交わした。


「それにレナのここ、凄い事になってるよ?」マリアはそう言ってレナの秘部を触る。


「止めて、今触られちゃうと、、あぁ!」レナの静止も聞かずマリアは激しく触りレナの小さな身体が小刻みに震え絶頂を迎えた。


「本当に可愛いねレナますます君の虜になりそうだよ」マリアは恥ずかしそうに紅潮した顔を隠すレナを見ながらレナの愛液の付いた指を舐める。


「マリアのバカ、止めてって言ったのに!」レナは恥ずかしさと怒りが混ざった声で言う。だがそれが逆効果だったのかマリアはレナに覆いかぶさり身体中を舐め回す。ヘソから乳房そして首筋を丁寧に舌を這わせる。その度にレナの身体が跳ねる。そして二人が顔を合わせる。


「でも嫌いじゃないでしょ?」マリアの問い掛けにレナは紅潮した顔で、「バカ、マリアになら何をされても嫌じゃないよ」そう言って今度はレナの方からマリアの首に手を回してキスをした。それを合図としたかの様にマリアもキスをしながらレナの身体を持ち上げ対面状態にすると二人は情熱的に愛し合った。


ソフィアはただ黙ってそのいきさつを見た後静かに部屋を後にした。「レナとオーナーあんなに凄いのね」ソフィアは顔を真っ赤にしながら、自室のベッドの上で一人思い出していた。何時もクールで表情の変わらないレナが初めて見せていた表情、そして何時もおちゃらけた態度でアンナやレナに殴られていたオーナーであるマリアの妖艶な大人の女の雰囲気。だが初めて見るそんな二人の一面よりもソフィアが気になっていたのは。


「女の子同士ってそんなに気持ちいいのかな?」ソフィアは一人悶々としながら眠りについた。


「ソフィア、ソフィア」


「う~ん、何?誰?」


ソフィアが寝ぼけながら起きると目の前にレナが居た。


「お、おはようレナ」


「おはようソフィア、今日は休みだけど一緒に朝御飯食べないかなって思ってさ?」リビングを見るとハンバーガーの袋が置いてあった。


「うん、一緒に食べよう!」ソフィアは起き上がるとレナと一緒にリビングのソファに座った。


レナを見ると何時ものレナに戻っていた、昨日のマリアとの情事を覗き見してしまいソフィアは少し気まずかった。


「どうしたのソフィア?具合悪いの?」


「ううん、大丈夫だよ!起きたばかりでちょっと頭が回らなくってさ」ソフィアがそう言うとレナもそれ以上言わなかった。ソフィアも昨日の事は見なかった事にしよう、そう思いコーラを口に含んだ時だった。


「ソフィア、昨日は私とマリアが煩くてごめんね」いきなりのレナの謝罪を聞きソフィアは口に含んだコーラを毒霧の様に部屋にぶち撒けた。


「ゲホ!ゲホ!」


「ソフィア!大丈夫!?」レナが心配そうにソフィアの背中をさする。


「れ、レナ、もしかして気付いていたの?」ソフィアが聞くとレナも言う。


「え?何を?」


「何をってつまり、その、昨日レナとオーナーが」


ソフィアが恥ずかしそうに言うと。レナのクールな表情がだんだん紅くなっていく。


「え?もしかして見てたの?私はてっきり声だけかと思ってて。そのせいでソフィアが寝不足になったと思って言ったんだけど。」レナの言葉を聞きソフィアの顔が青ざめる。


「ごめんねレナ!偶然なの!たまたまオーナーの部屋から声が聞こえて、それで好奇心に駆られて入っちゃって。そしたら、その」ソフィアが下を向きながら申し訳無さそうに言った。


「何処まで見たの?」レナが赤面しながら言う。


「そ、それは」ソフィアが言い淀む。


「怒らないから言って」レナが静かに言う。


「絶対に怒らないでね、そのレナがオーナーに「バカ、マリアになら何をされても嫌じゃないよ」って言ってキスした所まで」


「一番恥ずかしい所じゃない!」レナはそう言ってソフィアに掴み掛かる。


「怒らないって言ったじゃない!」ソフィアが必死にレナに言う。レナもその言葉を聞き冷静になる。


「ごめんソフィア、あまりにも恥ずかしくって我を忘れていたよ」レナは何時もの様にクールな表情に戻る。


「食べたら何処か一緒に行かない?」レナが何時もの様に優しく言った。


「でも、一つだけ聞いていい?」ソフィアの質問にレナが「何?」と返す。


「言い難いんだけど、女の子同士って気持ちいいの?昨日それが気になって眠れなかったんだ」ソフィアの質問を聞きレナの顔が再び赤面する。


ソフィアは不味いと思い直ぐに立ち上がる。


「どうして立ったの?」レナがにじり寄りながら聞く。


「いや、ちょっと嫌な予感がしてね」ソフィアも後退りながら言う。


「それで私の質問の答えは?」ソフィアが言うと。


「バカ!そんなに知りたいなら今から私が教えてあげるよ!」レナが赤面した顔で距離を詰める。


「止めて!私はまだそう言うのは早いから!」ソフィアが逃げ出すとレナも走って追いかけっこが始まった。


この後アンナに助けられるまでソフィアは貞操の危機に晒される事になった。


第12夜 完  第13夜に続く。


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