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なんで、そして、いつか  作者: なんでいつも
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16.これデート?お葬式?

忍と風間、2人はどうなる。

16.これデート?お葬式?

1875年10月15日20時00分、シャルター区画C士官用サロン。私南田忍は、風間隼人将補とバーでカクテルを飲んでいる。ハバロスクが落ち着き、本部出頭命令があってオスプレイで内地に一時帰国している。

「久しぶりじゃない?内地。」

「ああ。1年ちょっとぶりだ。さすがに身も心もコチコチだ。ミコは外に出ないのか。」

二人の時は忍と呼んでと言っているのに。ミコがあだ名になってしまっていた。

「忍って言って。一番の遠出で横浜よ。全然おしゃれじゃなくて、まだまだ漁村ね。なんか、お疲れみたいねぇ。」

「ああ。レナ川オリュークマ川リカ・ニュクジャ川防衛ライン構築がしんどいんだよ。こっちでもいっぱい殺してしまっている。もう常盤の人口に匹敵してるかもな。 」最新の無人防御システム構築のことである。

「あなただけじゃないわ。私のたった30秒の思案で1万5千が死んだわ。」

「俺は目の前で実行しているからな。しかも一方的ななぶり殺しを嫌がる部下を、コサックは西部開拓者と同じでそれ自体が兵なんだ。厳しい自然の中で己の力で生き抜いてきている集団だ。侮るな。とか言ってね。」

「自分を責めることなんかないわ。やらなければこちらがじり貧、消滅だからね。希少種の辛いとこね。相手に恐怖を与えるのが今回のミッションの肝。」

「ああ、だからな。鬼神にならなきゃ、大熊と講和できない。」

風間は、カクテルを一気に飲み、もう一杯と不備を1つ立てて、バーテンダーに視線を送る。いちいちかっこいいな。

「One murder makes a villain, millions a hero. Numbers sanctify.の後、何て続くか知ってる?ねぇ隼人。」

「チャップリンの映画、殺人狂時代だっけか。一人殺せば殺人者、100万人殺せば英雄になる。のあと?ぅぅう~ん。知らない。推測もできない。」

「数が殺人を神聖化する。と続くのよ。第二次世界大戦の勝利に酔っていたアメリカを強烈に皮肉ったものだけど、あながち真実じゃないかと思うの。」

「あんまり、慰めにならないな。」

「ん~そうか。思い悩めるだけ立派よ。そう言う意味だと私の方が鬼神かも。銃が人を殺すのではないっていうの知ってる?そのあとの言葉。」

「ああ、それは知ってる。人が人を殺すのだ。だろ。アメリカの銃論争で銃合法維持の側が主張する論だろ。その対極が、悪が人を殺すのではない。その後は?」

「あら、逆攻撃?銃が人を殺すのだ。よね。・・・・私は、核の保有は防げない。核ボタンを押せない人や社会を作る。って考えなの。だから、恐怖を植え付ける作戦を考えたのよ。人が人を殺すのだの考え方よ。」

カクテルが来た。風間は一口飲んで、

「・・・で?」

と聞いた。

「隼人は、核を作らせないが前提だから、そのためにモグラ叩きのように、頑張り続けなきゃいけなくなるのよ。」

「・・・」

「恐怖による抑止。宗教と一緒よ。そのための代償と割り切っているのよ。私は。」

「ミコ、やっぱり、お前すげーよ。そういう考え方があるんだ。これからも、愚痴りたいときは、頼りにするから、相手よろしくな。スターリン。」

「グ!へこむわ。せめて、阿修羅って言ってよ。なんか、出会ったときと、逆になってない?守られたいと思ってるのは私なのに。いいわ、頼りなさい。ふふ。」

この後盛り上がりの場面は事情によりカットさせていただきました。ご想像にお任せします。次回、講和交渉の巻きです。どうなる。

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