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なんで、そして、いつか  作者: なんでいつも
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11.私がスパイ?意味なくない?ミッションインポシブル!

なんか、策略がかけられます。

11.私がスパイ?意味なくない?ミッションインポシブル!

半年後、1874年8月30日12時00分、FEMA指令室。南田は法改正のテレビを見ながら独り言を言っていた。最近独り言多くねぇと思っていた。

「今の生活を守るぞ。子供に不憫な思いをさせないぞ。大日本帝国、関係ないね。って感じですか。基本方針策定委員会の提言はまとまって、今は法律改正か?」

基本方針は、1.コミュニティー保持、2.生活技術レベル維持向上、3.コミュニティー地位確保の3つ、技術の秘匿不拡散っていうのもあったが、上記方針の下有効活用する方向が提言されている。ま、順当だな。お、イプシロンのニュースだ。もう打ち上げるのか。さすが研究学園都市。手持ちは4機、12の衛星で当分の間打ち止めか。

「指令、独り言の時は、独り言と言ってから、独り言をしてください。身構えて聞いている私の業務が滞ります。」

首都圏第2シェルターシステム管理チーフ細川瞳(25)からの抗議だ。

「あぁ、ごめんね、ひとみちゃん。最近、どうも年取ったみたいで。」

「指令、気晴らしが必要です。仕事以外のことを・・・指令、長官からビデオ会議招集が来ています。」

「今度はなんなのやら。スイッチオン!」

「また独り言!」

「神田だ。緊急事態だ。あと14日でオロシアの上陸総攻撃が始まるとの偵察分析報告があった。規模は4万。」

「また、4万? これで、備蓄が最低1年分なくなるわ。」

「樺太は我々の生命線だ。国境警備レベルC2を発令する。 策源地ハバロフカを焼き払う。」

「そこまでやるの?備蓄がゼロになるわよ。それだけの実入りがあるかしら。清国も守れなかったハバロフカまで狙って。」

「転移した我々の戦力もメンテできずに長く置いておけば劣化は必定。策源地は今この時点で叩いておくのがよいとの判断だ。もう一つの朝鮮へのオロシア進行ルートである東清鉄道は残るものの、樺太方面の脅威は歴然と減る。オロシア艦隊による攻撃は早いほど我々にとって好都合だ。挑発しまくり、艦隊決戦の30年前倒しを目指す。」

「そこまでやるの?樺太以上の大きな賭けになるわ。失敗すれば我々はもうこの世で生きていけないわよ。」

「樺太を守り抜いただけでは我々はやっていけない。鉄の供給が深刻な事態なのはご承知の通りだ。今のままでも、大量の鉄の供給が確保できない状況でも、明治政府にとって我々の価値が低くなり、特殊技能のない余剰人は政情安定のため西南戦争のように抹殺され、結局この世で生きていけない。明治政府は甘くない。日清・日露戦争での鉄資源確保策では、技術者の寿命がつき、技術失伝も大きくなるので、待てない。鉄は、今必要で、今が好機だ。」

「この戦は石油備蓄が尽きるのが先か、石油生産が間に合うかの勝負になりそうね。判ったわ。国境警備レベルC2を発令。目標、敵脅威の殲滅並びに逆上陸、策源地除去。予備役招集。軍編成、補給編成、輸送編成は演習オハαプランを採用。オプションとして明治政府軍4万とゼアセレムジャ鉄鉱山開発計画を考慮。内地用鉄道資機材は全て樺太方面活用に変更。編成急げ。全面全力戦争よ。今が決戦の時よ。各自最善を尽くして。長官、明治政府軍4万で、ゼアセレムジャでよろしくて?」

「結構だ。戦況次第でビロビジャン南部、アルダン南部の鉄鉱石を目指す。日英同盟はなく、戦時外債が見込みがない中だからこそ、外圧なく動きやすい。やれるだけやる。石油勝負は、油井の産出量速報見てないのか、1本の生産井で採れる原油の日量は8,000バレル、大勝ちだ。急遽タンカーを向かわせている位だ。施設が破壊されないとの条件付きだが。」

「講和は、オロシアの損害と疲弊、厭戦気分をどこまで積み上げられるかにかかっているかしら。オロシアもすでにクルミアで疲弊して、アラスカ売っちゃっているものね。」

「イギリスやアメリカの仲介なく決着付けたい所だ。しがらみなく資源を独自確保したい。日英同盟はなく、戦時外債が見込みがない中だからこそ、外圧なく、ゼアセレムジャ、ビロビジャン南部、アルダン南部の鉄鉱石を確保できる。」

「ってことは必要な戦果は相当の武力威嚇か首都占領ね。ハバロスクを叩いて、東清鉄道遮断の動きを見て、講和してくれると理想的だけど。ダメだと、イルクーツク方面進行圧力?それともノリリスク方面から首都への無制限無慈悲進行?それとも直接的に空挺団での首都攻撃オロシア皇帝殺害?エスカレートしていくわ。日本をなめてるからなおさらだよね。ケッコームリゲーレベルだよね。明治政府の覚悟は?講和条件の落としどころは?」

「敵補給を徹底的破壊することも敵の精神と資金を疲弊を増長する必要な戦果の一つだ。明治政府は征韓論を無理やり潰した直後だ。覚悟はない。とても常陸に付き合えないというのが本音だろう。オロシア公使館や外交ルートで現状維持復帰ってどうですかってところだろう。樺太領有認定とシベリア三鉄鉱山割譲を最低ラインとして、交渉してもらうことが必要だ。役不足なら私が直接交渉に出張り皇帝と直談判する。」

「問題は我々常陸と明治政府の戦意の向上を如何に行うかね。小貝川線の時のような架空の戦死者ではダメかもしれないわね。西郷を担ぎ、征韓論の背後にある主敵オロシアとの一騎打ちって政策に傾けちゃうのはどうかしら。常盤は強力武器を持つけど、明治政府が参加しないと占領がおぼつかないでしょ。講和も強気で行きたいし。」

「・・・ぅう~ん!君は読心術が得意なのか。目の付け所はよいな。よくわかっている。」

「あら、ほめて下さるなんて、珍しいこと。言ってるでしょIQ200の天才少女だって。」

「そこでだ、言い出しっぺの君に、ミッション依頼だ。皇居に言って、計りごとをして来てくれ。プランはできている。君の身分は明治政府相談役だ。浸透し、内情を探ってくれ。」

「エ”!何で私が!依頼だから断れるよね。職責外だし。何かやることスパイみたいだし。」

「言いだだしっぺだし、職責外だし、参議らの受けがいいからだ。ガードが甘くなる。隙ができる。見逃さずに決める。以上三段活用だ。君しかいない。」

「そんなぁ!ほぼ命令じゃーん。」

「明治政府に積極姿勢になってもらうのだ。自尊心をくすぐってこい。明日、皇居で昼食会に出席だ。緊急事態管理研究所近藤勇がプランを立てた。詳細は彼に聞いてくれ。」

「近藤です。自然体で行けるプランだから。難易度は低く、成功率は高い。心配しないで。じゃぁ、スパイ7つ道具を装備するから、その説明は別室で。」

「近藤先生、カバーエリア広すぎでしょう。マルチッチですね。目標とターゲットと期待する成果はなに?」

「マルチッチ?目標は西南の役の薩軍約14,000人をオロシアにたきつける。狙いは西郷の純朴さ。手段は精鋭部隊待遇。出資者明治政府。完。」

「明日の昼食会は西郷さんがでられるのですか。西郷さんって心音は穏健だし、むちゃ、高難度じゃないですか。」

「もっとポジティブにいこうよ。明治政府への復帰を諭す帝も出る昼食会なんだよ。食材バイ常陸だけどね。本来の未来と新しく切り開く未来を示して真直ぐに説得しればいいだけなんだから。ね、簡単でしょ。」

暗躍する人が多くね。次回は、忍が皇居に行くの巻き。

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