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なんで、そして、いつか  作者: なんでいつも
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10.油田開発、詰んでんじゃね?傾斜生産?愛国主義?全体主義?

コミュニティー存続のためのエネルギー・資源・機材事情の説明がありますが。やっていけるか。

10.油田開発、詰んでんじゃね?傾斜生産?愛国主義?全体主義?

1874年2月13日13時00分、FEMA指令室。FEMAの権限が肥大化している。南田は各種計画書の束を決裁していた。

何よこれ、FEMAが物資と生産を統制して、生産の指導もやるの?銃弾に小銃、油田開発機器類に石油精製プラントまで、原子力発電所の再駆動計画なんてのもあるわ。油田開発なんて本来1兆円規模の大事業だよね。敵を制圧しながらやるなんて、非常にリスキー。30万人のひとつの市レベルで、本来ならできることではないよね。超、寒いし、心配。非常事態対応機関だからしょうがないのか。はっきり言って、能力越えだよね。できたらヒーローだっちゅうの。明治政府の尻叩くか。

防衛計画や軍事訓練は国防省が、明治政府への職員派遣を始め、教員、教材、農業振興、鉄道・通信技術者、特産品技術者の派遣や配布は外務省がやっているけど。ほどほどにして欲しい。こっちはすごく忙しい。手伝って。

この計画、絶対転移直後から練られていたよね。人員の配置から、資材の配置まで。細かすぎる。


現在の保有船はというと。。。資料を見る。

鹿島港湾と日立港の4万トン級自動車運搬船4と積載量40万トンの鉄鉱石運搬船1。着岸していてラッキー。

鹿島港や常陸那珂港の火力発電所に着岸していたVLCCタンカー4隻、液化ガス輸送船1隻。着岸していてラッキー。

海上警備中だった原子力空母群(あかぎ型空母1、まや型護衛艦3、FFM7、いずも型強襲揚陸艦1、おおすみ型輸送艦1、エアクッション艇2、たいげい型潜水艦2、ましゅう型補給艦1、曳船72号7。オロシア艦隊が太平洋東北沖を威力偵察してたからな。

海上保安庁艦艇6隻、杭打船3、コンクリートミキサー船1、スパッド台船1、掘削船4、曳船12、その他中小貨物船、貨客船、漁船約100隻。400t級の遠洋マグロ延縄漁船ってのも1隻だけどあるのか。知らなかった。

特異なのはトラフト調査中の”ちきゅう”が漂着したことだが、どのように使えばいいかまだ決まっていない。オハ開発の海運には問題なさそうだ。


オハの開発計画はというと。。。資料を見る。

オハ第一陣は2か月後の1874年4月20日。流氷もなくなる頃だ。常陸の施設大隊中心で、簡易ふ頭、砦建設をする。その資材を確保しなきゃならない。埠頭完成目標は8月だ。

オハ第二陣はその2か月後の1874年6月20日。人工地震探査と音響探査探索を併用した三次元地震探鉱を実施する予定だ。さすが筑波学園都市。さらに試掘の上、生産井も10本掘削予定だ。小規模な集油,送油,貯蔵施設も建設する予定だ。ガスは今回は未対応、地中埋戻しだ。余裕ができるまで対処不能だ。ガス液化にしろパイプラインにしろ現在コスト対効果が見合わない。貯蔵分で対処できるし、石油からLPかできるから、手は出さない。

オハ第三陣はその2か月後の1874年8月20日。冬までに生産井の増設と原油積み出し基地建設を行う。原油積み出し基地の完成予定は来年8月20日だ。年内には一部稼働を目指す。ユニットを常盤で完成させ、現地作業を極力減らし、工期を最短化する。集油,送油,貯蔵施設の拡張も行う予定だ。


石油資源の現状と見込みはというと。。。資料を見る。

"石油は鹿島石油株式会社で330万KL備蓄している。石油ガス備蓄は神栖の国家石油ガス備蓄基地に19.5万トンあるが、通常使用の1/8に節約した本統制計画でも5年で枯渇する(年最低限必要使用量66万KL)。オロシアへの抗弁もあるが、急がなきゃいけない理由がこれだ。これがなくなると明治政府への強気の対応ができなくなる。

転移前の日本は年間2億KL輸入してたなんて、信じられない。"

その後は可能な限り油井の増産に努め、随時集油,送油,貯蔵施設を拡張する。港湾施設完成時の初年度に最低でも年最低限必要使用量は採掘したい。幸い保有できている25万トンVLCCタンカーは200万バレル(32万KL)積めるから、年に2杯分になる。逆算すると石油の日産量は1万バレル。通常活動にするために日産8万バレル(=20m×20m×20m)は行きたい。これからの活動増大に備えて更に上澄みしたいのが本音。どこまでできるか。

サハリン北東部陸上部の石油採取可能量は2億トン程度と言われており、最盛期の1980-85年は300万トン/年(VLCCタンカー12杯分)の採掘があったと記録がある。きっとできるはずだ。

上積みを狙いたいが、サハリン北東大陸棚部の石油採取可能量は2億トン程度と言われているが、ガスが多く、サハリン南東部沖も同様で、海洋開発でもあり、現時点で手が出せない。他の採掘地が必要だ。中国勝利油田?日清戦争で確保したいところだな。ブルネイセリア油田?イギリスをどうにかしないといけないな。中国大慶油田?ちょっと奥地だな。


しかし、1本の生産井で採れる原油の量は、平均的な4,000バレル/日程度だとして20本は必要となる。もし、1,000バレル/日程度しかでないと、生産井は80本も必要になる。日本の新潟油田並みに100バレル/日程度だったら、機材や鋼材が追っつかない。完全にアウトだ。どっちにしろ、時間がたつと圧力が減って少なくなるので、増設や加圧が必要となるのだが。やってみないと分からないのがつらい。使用できる採掘機器等の鋼材量が限られているからなおさらだ。


鋼材資源の現状と見込みはというと。。。資料を見る。

"このプロジェクトだけで震災時のスクラップと備蓄(200万トン)が尽きてしまう。鋼材も結構やばいんじゃん。鉄鉱石が欲しい。欲しい。欲しい。石炭も鉄鉱石の7割程度は必要だ。

まずは日本国内で年差200万トンを目指すか。内訳は釜石鉱山釜石で年産100万トン(総生産量は1334万トン13年)、倶知安で年産50万トン(総生産量は476万トン9年)、群馬で年産30万トン(総生産量は191万トン6年)、徳舜瞥で年産20トン(総生産量は110万トン5年)。何とも小規模だ。

いっそオロシアにいってしまうか。露天掘りが可能な南ヤクーチアのアルダン川の上流一帯のアルダン磁鉄鉱石鉱床群(タエジノとデソフスコの埋蔵量は約30億トン、オリョクマ・スタノボイの内蔵量は50億トン)、アムール州のゼア・セレムジャ地域か(確定鉱量約4億トン)、ハバロ フ ス ク 地 方 の マーロ・ヒンガン鉄 鉱 床(キムカン鉱床は約2億トン、ウドスコ・セレムジンスク11億トン)。輸送に問題があるか。年1億3千万トンも輸入していた日本て何者?

日清戦争で鞍山(鉄)と撫順(石炭)は絶対だな。北朝鮮鉱山も何とかしたいところ。それまでは国内で頑張るしかないか。フィリピンは鉄も出るが戦略的にニッケル狙いだし、アメリカをけん制しておかなければならないし。石油が潤沢になれば豪州が狙えるか。私、ヒットラーみたいじゃない。いや、ナポレオンか。侵略者ってレッテル貼られるとやだなぁ。決済、決済、しただけだから。計画作った張本人じゃないし。平和的に商業交渉すればいいんだし。"


入荷予定の来年夏までに鹿島の石油コンビナート・製鉄所の震災復興・整備・増強は並行して行う必要もあるな。忙しい。


このほかのレアメタルは、幸いレアメタル国家備蓄倉庫が高荻にあり、10年から20年は何とかなるはずだ。これはほんとにラッキーだ。神様、ありがとう。

次回、忍がまた変なミッションにかり出されます。

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