聖女ちゃん引き寄せる。
洗濯物を窓の外に出す。ツェツィリーちゃんの下着はできるだけ外から見えない位置に。
えーと、時間が……。まだ9時過ぎか……店とかあいてないんだよなぁ、まだ。
ちょっと話するか。ツェツィリーちゃんをベッドに座らせて、俺はパソコンの椅子を引っ張り出して座ろうとし……たところでツェツィリーちゃんに腰を引っ張られてベッドに座らされる。
「あぶなっ」
「えへへ よこ すわる」
……もー。
二の腕の触れる距離、こちらを見上げるツェツィリーちゃん。長い睫毛、吸い込まれるような蒼の瞳。
俺を引き寄せた彼女の手が俺の手の上に置かれる。……いかんいかん、朝から誘惑されている。
俺は頭を振って話しかけた。
「ツェツィリーさー、今夜なんだけど」
「うん」
「俺が仕事行っていない間、どうしてる?」
「おいのり あとは…… おそうじ?」
掃除はやり方教えるにしてもなー。えーと、授業3コマだから、5時から9時半で、移動時間とか授業前後にちょっと話とかするの考えると、4時半から10時の5時間半だな。特に何も無いとしても。
「5時間半くらい出てるから、さすがに時間が余っちゃうね。他に何かしていたいことない?」
「していたいこと?」
「趣味とか」
ツェツィリーちゃんは固まった。暫く沈黙の時間が続き、彼女はぽつりと口にした。
「………………きょーすけ わたし つまらない おんな」
「なんだそれ」
「しゅみとか ないのです」