聖女ちゃんと牛乳パック。
食べながら話をする。
「この角どうしようかねぇ?」
黒いでかい邪魔である。しまってもらうのだとするとまた魔力のある場所を探さなければならない。
「そう言えば昨日『Life』行った時、すぐそばにお地蔵さんがあったんだけど、魔力とかなかった?」
「……わからない すくなくとも きづかなかった」
うーん、規模の問題なのか、そもそも神社なのか、神社でもお稲荷さんはいけるのかダメなのか。……そもそも三谷八幡の横にお稲荷さんあるけど何も言及されなかったからなぁ。ダメそうかなー。
「どこか別の神社行って試すにもこれ持って移動はなぁ……」
ツェツィリーちゃんは頷く。車でもあれば別かもしれんが当然ここにはない。
「加工は?」
「はがねより かたい つの」
話を聞いていると魔力を使って加工していく技術が向こうにはあるらしい。
旋盤とかウォーターカッター的なものでなんとかなるのかもしれんが、こんなもの当然表には出せないわけで……。
結局のところ。
「とりあえず置いておくしかないか」
「はい……」
俺は残った牛乳を箱を潰しながら飲み干し、そのままゴミ箱に捨てる。
「ご馳走様」
ツェツィリーちゃんは残った牛乳を箱を潰しながら飲み干そうとして失敗し、牛乳を顔に被る。
びゅっ。
びくりと眼をつぶったツェツィリーちゃんの長い睫毛にかかり、鼻筋からくちびるへと垂れていく。
「ひゃっ!…………ふえぇぇ」
……なぜなのか。
俺はため息をつき、ティッシュを箱から引き抜いた。