聖女ちゃんとストロー。
あんパンをもぐもぐしながら神に祈りを捧げそうなツェツィリーちゃんに牛乳パックを差し出す。
「あんパンは牛乳と相性が良いよ」
なんでなのかは知らないけどこの組み合わせ美味いよね。
彼女は200mlのミニパック牛乳を前に固まる。まあ飲み方分からんよな。
「むむむ」
「うん、やりかた見せるね。まずこれを外して中からストローを取り出す」
斜めについているビニールを外して中からストローを出す。
ツェツィリーちゃんも真似して取り出す。
「すとろー おなじの つかったことある」
まあ、英単語としては麦わらだからねぇ。地球でもはるか昔から使われているものだし、異世界にも似たようなものはあるだろう。
俺はストローの両サイドを、彼女が良く見えるように持つ。
「引っ張ると伸びる」
「!?」
ツェツィリーちゃんが眉をびくりと動かして固まった。
「なん……だと……」
ははは、初見では驚くと思ったんだ。
「この尖った部分を銀色の部分に刺すと飲めるようになるよ」
ぷすりとさしてストローを口に含み、じゅーと吸い上げる。
「なるほど」
ツェツィリーちゃんはストローの両サイドを持ち、引っ張る。ストローが伸びたのが嬉しかったのか、笑みを浮かべながらパックにストローを刺して牛乳を吸う。
そしてあんパンを口にする。
「……あんぱん …………かみ」
またか。