表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
9/163

聖女ちゃんはゆるす。

「申し訳ございませんでした!」


 ………………。


「きょーすけ かおあげて こたえてください」


 頭上より声がする。


「はいっ!」


 俺が顔を上げるとツェツィリーちゃんも床に膝をつき、目線を合わせてきた。まだ顔は赤い。


「あの みずの まほう わたしを はずかしめる ものですか? しょうじきに」


「め、滅相も御座いません!一般的なものです!」


「あれがふつう…………!」


 戦慄を覚えた表情をされる。


「ごふじょうに いくたび あの まほう うける ふつう……!」


 ウォシュレット使わずにトイレットペーパーだけ使えば良いのではと思わなくも無いが、そこは口に出さない。


「きょーすけ あれ つかいますか?」


「はい!」


「むむむ わかりました きょーすけ うそついてない ゆるします」


「ありがとうございます!」


 ふう……。許された。


「ツェツィリーに朝食を用意させていただいてもよろしいでしょうか。簡単なものですが」


「ごこうじょう かんしゃいたします」


 彼女はお腹のあたりをおさえて言った。


「じつは おなか ぺこぺこです」


「すぐできます!」


 さてさて。手を洗い、先にオーブンを温めておく。食パンを2枚、軽く切れ込みを入れておいて、少し表面を水で濡らす。

 オーブンにイン。その間にトマトをスライス。面倒だから皮など剥かぬ。

 平皿に並べて、乾燥バジル。岩塩をミルでゴリゴリしながらかけて、あとはオリーブオイルがあるな。たらーっと。


 ――チン。


 パンが焼けた。マーガリンだけさっと塗って、えーと、ジャムは……武蔵小山商店街の『カルディ』で買ったフルッタ・チェレスティーナのオレンジマーマレードを出しておく。

 飲み物は牛乳でいいか。あとはバナナがあるな。半分に切って出そう。


「はい、できました!」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
i521206
― 新着の感想 ―
[良い点] さすが聖女! 嘘を見抜けるんですな! すごい!
[一言] Σ(゜∀゜ノ)ノキャー可愛い。聖女ちゃんの世界はどっちのパンですかねぇ、白いフワフワタイプか、ドイツパンのタイプか、旦那の仕事先で一緒になる、海外のお人が、こう言ってたらしくて。 日本のパ…
[一言] うーむ。これはツェツィリーちゃんに参ってしまう。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ