聖女ちゃんシャンプー良くない。
ツェツィリーちゃんは困ったような表情を見せた。
「それはよくない」
おや。
「なにか問題ありそう?」
彼女は首を縦に振る。
「それでは きょーすけが わたしの かみ あらえない」
ん、んん?俺がツェツィリーちゃんの髪を洗えない?
不思議な日本語を使われている感じだ。えーと……。
「髪を洗って欲しい的な?」
「そうともいう」
むむむ。俺が悩んでいるとツェツィリーちゃんが続ける。
「ひとりで しゃんぷー よくない」
まぁなー……。
目をつぶってれば良いだけの気もするが、さすがに昨日目に入って痛いと言ってたばかりだし、まだ怖いか?
「ひとりで おふろ しぬ」
「死なないよ!
まぁ、シャンプー慣れるまでは俺が洗う?」
にまりと、ツェツィリーちゃんが微笑んだ。
「わたし しぬまで しゃんぷー なれない」
「うぉい!」
んへへーと笑われる。やれやれだ。……いや、マジで。
俺は立ち上がる。
「とりあえず、食器かたそうか。洗い物教えるから一緒にやっていこう」
「はい」
ツェツィリーちゃんが座ったままこちらに手を伸ばしてくるので、手を握って引っ張り上げる。
武器を振る手だ。掌はちょっと硬い。でも軽いなぁ。
「えへへ ありがと もっていけばいい?」
「ああ」
ツェツィリーちゃんが皿を持ってキッチンへ。
俺も残ったグラスなどを持ってついて行く。