聖女ちゃん数字を覚える。
ツェツィリーちゃんはむむむと考えて言った。
「きょう はやく おこしてしまった?」
「昨日は休みだったし寝るの早かったからいいよ。
後でちょっと昼寝したいのと、明日からはもうちょっと遅くしてほしいかな」
こくりと頷かれる。
食事を終えて、枕元からアナログの目覚まし時計を手に取ってきて、ツェツィリーちゃんに見せる。
ツェツィリーちゃんがごそごそと俺の横にやってきて文字盤をのぞき込み、ぴとりと肩が触れあう。
えーと、そもそも数字が読めない。なるほど。そこから教えて……。
「いち にー さん しー ごー ろく しち はち きゅー じゅー じゅいち じゅーに」
「そうそう」
ツェツィリーちゃんが文字盤の数字を指さしながら言う。
「昨日ツェツィリーが寝たのが夜の8時前、俺が布団に入ったのが10時前だったと思う。今日起きたのは朝の5時」
「いまは ろくじにじゅっぷん」
「うん、合ってる」
「きょーすけが おしごとおわり かえってくるの じゅーじ」
バイト先の個別指導塾は徒歩数分なので、まー授業後に生徒や室長と話してもそんなもんだろ。
「そうだね」
「それから しょくじして おふろもはいる?」
「うん。今まではその後だらだらしてたから寝るの1時過ぎだな。さすがにそれもツェツィリーに悪いので、ちょっと変えよう」
「ありがと」
「それとも先に寝る?」
「まつ」
デスヨネー。そう言うと思った。
「夕方四時頃に食事してから仕事に出るよ。んで、風呂入れとくから俺が出てる間にツェツィリーに入って貰って、俺が帰ったら風呂入ってすぐ寝られるようにしよう」