聖女ちゃんおつとめする。
ツェツィリーちゃんがトイレに入っている間に今日の予定をぼーっと考える。
今日は後で絶対に眠くなるから、昼寝しよう。……顔洗うか。
ばしゃばしゃと顔を洗い、口をすすぐ。
「ひゃんっ……」
トイレからはウォシュレットの駆動音と、ツェツィリーちゃんの声を押し殺した悲鳴が聞こえる。
トイレから出てきたツェツィリーちゃんと場所を交替してトイレへ。
生理現象と言い張るにはちょっと……って感じのモノがですね。
的を外す未来しか見えないので便座に座る。
「ふー……」
人生が刺激的になってしまったものであるよ。
食事しながらちょっと今日の予定とか話してと、後は仕事とかあるしな。
ついでに便座とかを軽く掃除してトイレを出る。
「ツェツィ…………おっと」
俺は部屋のツェツィリーちゃんに声をかけようとしてやめる。
彼女は窓際にて跪いて手を胸に当て、頭を軽く下げて目を伏せていた。
それは明らかに祈りの姿勢であった。
Tシャツ姿ではあれど、神聖さを感じさせるものであり、朝早い日射しを受けて、彼女の髪が、身体が輝いている。
「聖女さまか……」
うん、こうしていると、救世の聖女なんて言われるのも分かるよね。
俺が彼女から目を離せずにいると、祈りが終わりなのか、ツェツィリーちゃんはお辞儀するように身を大きく倒してから起こす。
そして、こちらに振り向いてにっこりと笑った。
「きのうは あさの おつとめ さぼってしまいました」
あー、そうだよね。
「ところで きょーすけ」
うん?
「おなか すきました」
「うん、俺もだよ。何か作ろうか、腹ペコ聖女さま」
「ひどい!」
笑い合ってキッチンへ向かう。
敬虔な感じは美しいけど、それよりこうしてお腹すかせてくれてるほうが良いなって言うね。