聖女ちゃんおねむ。
いつかどうにかして勇者のやろー、ぶん殴りたいなあ。
まー、俺なんかじゃ即返り討ちだろうけどさ。
「もどりました」
ツェツィリーちゃんがトイレから戻ってくる。
ちょっと顔が赤い。
その後は2人で洗濯の続きである。結局、布団カバーにはうっすらと染みが残った。まあ使えないってこともあるまい。
一方、ツェツィリーちゃんの法衣や下着は綺麗さっぱり血が落ちたのである。
長い旅をする勇者様御一行のため、汚れづらくなる、汚れが落ちやすくなる魔法がかけられていたのだとか。
「……ふぁぁ」
洗い終わった頃、ツェツィリーちゃんは口元を手で押さえ、あくびをした。
「もう眠い?」
「……ん ちょっと」
ツェツィリーちゃんはこくりと頷いた。
異世界人としても早くね?まだ7時前だぞ。
「ツェツィリーのとこ、この時間にもう寝てた?」
「んー まちのひと もうちょっと おそい
たびしてた よる くらい きけん うごかない」
あー、そうか。旅人は夜は動けないのか……なるほど。
「食事は?」
「だいじょぶ」
「先に寝る?」
「……まってる」
うーん。さすがに早すぎるんだよなぁ。まー、でもなんだかんだで朝ばたばたしてたし寝られないこともないかー?
パンツや法衣、布団カバーをベランダに干し、籠手とブーツも並べて置く。
いや、さすがに無理だな。さらっと冷凍食品でもチンして軽く食べようか。
「ツェツィリー、俺はちょっと食べたいんだけど、付き合わない?」
「つきあう ……ちょっと たべる」
俺はさっき買ってきたばかりの冷凍焼きおにぎりをレンジに入れた。