聖女ちゃん聞かれてる。
ラムネラブさんからレビューいただきました!
ヽξ˚⊿˚)ξノありがとうございますのー!
ツェツィリーちゃんはバスルームの入り口でこちらを振り返り言った。
「ごふじょう おかりします」
「ああ、うん」
……ふいー。ツェツィリーちゃんが消えて、俺は大きく溜息をついた。浴室に座り壁に背を預けた体勢。身を起こして洗濯の続きをする気力がまだ湧かない。
「あー……」
危なかった。
「ふひゃぁぁぁぁ…………」
頭の裏から声が聞こえる。
あ。
「はしたない まね してしまいました……」
今俺がもたれかかっている壁、トイレの真横だ。
「きょーすけ……」
いかんいかんと慌てて身を起こそうとし、俺の名が呟かれたのに身が固まる。
「うぅ…… へたれー」
んぐっ。
「でも せいじつ うれしい……」
あーいかん。
「しゅきぃ……」
俺は部屋の逆側に行き、シャワーをつけて音を搔き消した。
あー……んー……。
やっぱり無理してたんじゃねぇかという思いと、本当に好いてくれてるんだなあという思いが同時に湧き起こる。
ふと、なんでツェツィリーちゃんがこう極端なムーブなのか分かった気がした。
文化の違いもあるかも知れないが、そもそも彼女はいわゆる普通の恋愛感情の表現の仕方を知ってる訳が無いんだ。
確か6歳で治癒魔法が使えて10歳で聖女になったと言っていた。幼い頃から教会だろ?この部屋が落ち着くと言ってたし禁欲的な生活を送っていたのは明らかだ。
12歳からは勇者と旅に出ていた。話聞く限り勇者=エロ猿チーレム野郎なんだが、まあモテてただろう。
元から彼女がいて肉体関係あり、旅先では女をとっかえひっかえ、現地妻ってやつか?
町へ行く。困っている町娘さんと話す。宿屋で彼女とにゃんにゃん。魔物を退治する。町娘さん「素敵抱いて!」。町娘さんとにゃんにゃん。次の町へ。
という気がする。そしてツェツィリーちゃんはそのそばにずっといたんだろう。
「辛いなぁ……」




