聖女ちゃん宣戦布告する。
どさりと狭い浴室に尻餅をついた俺の膝の上、のしかかったツェツィリーちゃんが抱き着いてくる。
むにゅう。
俺の胸板に当たる柔らかくも強い弾力を感じさせる物体。
俺の脳裏に91!91!と謎の声が木霊する。
「きょーすけ すきだよ」
ツェツィリーちゃんが俺の背に手をやり耳元で囁く。鼓膜が屈しそうだ。
俺は彼女の肩に手をかけた。
「うん、ありがとう。俺もツェツィリー好きだよ」
「わたしを だく?」
「だかない」
「なんで!」
ばんばんと肩を叩かれる。痛い、割と痛いそれ。
「君が俺に負い目を感じているから」
「でもそれは!」
ぽんぽんと肩を叩く。
「時間はある。ツェツィリーはまず自分がどこで何をするのか考えるといい。
そこで何かを得てさ、君が俺から借りだと思ってる分を返して。
それでもまだ俺とそうなりたいなら……その時は歓迎するよ」
ツェツィリーちゃんは俺の肩に頭をのせるとぐりぐりと額を押し付けた。
「………………わかった」
「うん、じゃあ退こうか」
俺がツェツィリーちゃんを押し退けると、彼女は俺の太ももの上に座り込む。
彼女はキリッとした表情で言った。
「それは それ」
…………うん?
「わたし きょーすけ ゆーわく つづける」
「はあっ!?」
「きょーすけ すきは かわらないから」
「ちょっ」
ツェツィリーちゃんは右手の人差し指、中指、薬指の3本の指で俺のジーンズの上を太腿からチャック、ベルトのバックルへとなぞり上げる。
そして淫蕩に笑った。
「ふふ はんのうは してくれる」
俺は大きく溜息をついた。
「…………そりゃな」
「きょーすけ がんばって ていこう するといい」
そう言って彼女は立ち上がった。