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聖女ちゃんこの世界を語る。

「ゆたかな まち すすんだ ぎじゅちゅ」


 ん、うん。


「たべもの おいしい きょーすけ やさしい」


「はは、ありがとう」


 2人で籠手を磨きながら話す。このナックルの金属、鉄とかじゃない気もするんだよなぁ。明らかに強度に対して軽さがおかしい。


「わたし めだつ ぎじゅちゅ じょーしき ちがう」


「うん」


「きょーすけ…… わたし ここで なに できる?」


 ……やはりそこだよな。


「このふく しょくじ きょーすけ はらう たいか わたし はらってない」


「対価を求めてはいない」


「きょーすけ やさしい でもそれは いびつ」


 いびつ、歪か。まあそうだな。ツェツィリーちゃんは良い子だ。であるからこそ、そこは気になるだろう。


「分かった。対価はいつか貰う。だが焦らなくて良い。俺からの借りにしておけよ」


 ツェツィリーちゃんが頷く。だが納得はしてない動きだな。


「借りが返せる気がしない?」


 彼女は再び頷いた。

 ツェツィリーちゃんの立場で考えればまあ、その帰着は良くわかる。中世ファンタジー的に身分証明がない、つまりジプシーのような流民的な存在か追放者だ。


 言語もあいまい、地域の知識も常識も分からない。真っ当な職に就くのは難しいと思っているだろう。

 例えば買い物の時、俺は現金で払っていたが……別の客がカードやらスマホで払っているやレジの機械に驚き困惑していた。


 …………んー。


「ツェツィリー」


 俺は手を止めて彼女の顔を見る。


「はい」


「ツェツィリーは俺を誘惑している?」


「!? …………なんっ えっ …………えぅ うぅ」


 彼女は驚き、否定しようとし、俺から目を逸らし、固まった。

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i521206
― 新着の感想 ―
[良い点] 聖女さんのお手当て!などと、不埒なことを考えてしまいました。(プライスレス) [気になる点] 籠手の素材がミスリル合金とかだと、レアメタルなにおいが…… [一言] 「ツェツィー きょーすけ…
[一言] R18ではないですな。
[一言] なるほど Youtuberデビューですか
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