聖女ちゃんとお洗濯。
家に帰り、電気をつけるなり絶望することがある。
血のついた布団である。
「あー、洗濯やってないよなぁ……」
午前中、ツェツィリーちゃんの話聞いて風呂入れて出かけてしまったからな。
本当は風呂の最中に洗剤につけ置きしておこうと思ってたんだが……うん。風呂に呼ばれてしまってすっかり忘れてたね!
脳裏に彼女の桜色に色付いた白い肌が浮かぶ。
いかん。煩悩退散煩悩退散。
とりあえず冷蔵庫にしまうものだけしまっておいてと。
布団から血のついたカバーを剥がす。中までは染みてないのが幸いか。
血液がもう固まってるから落ちるか分からんが、スマホで調べてと……。
えーと、生理用の洗剤か。なるほど。……ねーよ。
他に効くのはアルカリ性洗剤、アンモニア、大根おろし……。
大根おろし?ああ、たんぱく質分解だからか。
まあやってみるか。
スマホをポケットにしまうと、ツェツィリーちゃんと目が合う。
「どした?」
「きょーすけ おもしろい うごき してた」
……フリック操作のことかな?
「その いたは なに?」
「スマホっていう道具、後で教えるよ。
先に洗濯をしたい」
「ごめいわく おかけします……」
洗剤でつけ置きかな。とりあえず風呂場へと持って行き、たらいにぬるま湯はって布団カバーをと。血のついたとこに洗剤かけてみるか。
あとはー。風呂場の入り口でこちらを見ているツェツィリーちゃんに声をかける。
「ツェツィリーの服も血がついてるよね。洗ってみる?
ただし色が落ちちゃうかもしれない」
ホントはクリーニング屋にでも出すべきなんだろうけど、さすがに外には出せないからなぁ。
「おねがい します どうせ あのまま きられない」
まあそりゃそうだよね。じゃぶじゃぶと布を揉んでみる。ん、ちょっと汚れが落ちてきているような……。良し。
「じゃあちょっと取って貰える?」