聖女ちゃんかき氷に魅了される。
ξ˚⊿˚)ξ <アカシック・テンプレートさんからレビューいただきました!
ヽξ˚⊿˚)ξノおもしろレビューあざますのー!
ツェツィリーちゃんが帽子を外して荷物の上に置く。美しい髪が室内の光を反射して煌めき、背後の客から感嘆のため息が漏れた。
なぜ俺が奥の席に座ったかと言うと、1つはあまりツェツィリーちゃんの顔を覚えさせたくない、特にこっそり携帯で写真に撮るなどして欲しくないから。これは大きくは身分証明ができないことへの警戒であるが、ちょっとした独占欲が含まれる事は否めない。
そしてもう1つは、単純に彼女にかき氷を削る様子を見せたかったからである。
――しゃりしゃりしゃりしゃりしゃりしゃり。
「ふおぉ……」
店主さんが機械に透明な氷をセットし、その下から雪のように霧氷のように溢れてくる氷をガラスの器で受け止める。
器に平になるくらいまで氷を受け、そこにハーフカットしたイチゴを並べていく。そしてさらにその上に氷を。イチゴを覆い隠して山形ではなく丸く、器からはみ出るような球体に盛り上げていく。
店主さんの手の上にハンドボール大の雪玉があるかのようだ。
そしてそこに紅の苺シロップを。どばっと。ただの液体のシロップではない。どろっとした果肉の形が残るソース。白いボールが赤くなり、そしてその頂点にさらに生イチゴが飾られる。
それがツェツィリーちゃんの前に置かれる。
「ふおおぉぉ……」
「どうですか」
「これが かきごーりの ごろごろ いちごみるく…… ぜったい おいしい」
「うん、食べてみようか」
ツェツィリーちゃんはスプーンを手にして固まる。
「きょーすけ これに さじを いれるなんて できない」