聖女ちゃんコーディネート。
店員さんからツェツィリーちゃんが色々と勧められているのを聞き流しつつ、せっかくなんで自分の下着なんかも買い足しておく。
女性の買い物は長いというが、ツェツィリーちゃんが買い物に熱心というよりは店員さんが色々着せてみたくてしょうがないように見えるね。
今は肩を出した白のタンクトップの上にチェックのYシャツを羽織らせるファッションを勧めているが……。
ちょっ、タンクトップ胸が強調されるからやめて!
「かた だすのは あまり……」
ツェツィリーちゃんは肩出す服や、ダメージドジーンズ、ローライズは好まないようだ。
外であまり肌を見せるようなファッションは……ということらしい。
「きょーすけ できた」
そう言って彼女の見せたコーディネート。
ジーンズはインディゴのブルーが鮮やかな、脚のラインの出るスキニーデニム。靴はローカットのキャンバスシューズ。
ちらりと覗く足首の肌色と、ヒップから太腿のラインが艶めかしい。
上半身のTシャツはナマコのものではなく、別の白いもの。
下にブラトップを着ているのだろう。さっきまで着てた俺のシャツほどではないが少し大きめのサイズで、バストが強調はされない様子。
上からチェックのYシャツを羽織って、寒いときとかはこれで調整すると。なるほど。
「きょーすけ どう……?」
「超かわいい」
「かわいい……」
ツェツィリーちゃんがはにかんだように笑う。
いや、これはかわいいですわー。ヤバい。
モデルお忍びコーデ(忍んでない)って感じですね!
お忍びと言えば……。
手近な所にあったキャップを被せてみた。店員さんが言う。
「いいですね。せっかくの綺麗な髪がもったいない気もしますけど良く似合ってます」
うん、プラチナストロベリーブロンドがもったいない気もするけど、そもそも我々目立ちたくないのではってことだよね。
いや、どうやっても目立つけどさ。