聖女ちゃんパンツはく。
これでこのコンビニでの俺の二つ名は『息を切らせて女性ものパンツを買いに来る男』になるんですかね!ふぁっく。
そうそう思いつつもダッシュで家へと戻る。ツェツィリーちゃんが風呂から出る前に帰らないと彼女の履くものがね!
アパートの階段を駆け上がり、扉を開ける。
「ただいま!」
「おかえりなさい きょーすけ」
彼女は浴室の扉越しに顔だけ覗かせて答えた。ちょうど身体を拭いているところか。間に合った。
「ツェツィリー。あー……そのー。パンツ買ってきた」
「ぱんつ…… ありがとございます!」
「ここに置いとくから」
そう言ってパンツを着替えの入った籠に投げて台所へ。冷蔵庫に飲み物を入れて部屋に戻る。あー、血のついた布団か。血は普通に洗濯しても落ちないんだよなぁ。漂白剤?後で調べるか。とりあえずよけといて別の布団出すか。
押入れから夏用のタオルケットを出していると風呂場から声が。
「きょーすけー ぱんつ わからない」
あーもう。
そっと洗面所の方を覗くと全裸でパンツの袋を前に困惑するツェツィリーちゃん。
バスタオルなんて大きなタオル無いからね!タオルをせめて身体の前にやっているが、体つきをほとんど隠せてないよね。
まあ、あまり彼女を見ないようにパンツの袋を受け取る。
ビニールの切れ目から袋を破り、中に入っていたピンクの布を取り出す。
「はい。どうぞ」
ツェツィリーちゃんはまじまじと渡されたパンツを見る。
「おお ももいろ かわいい ……ちいさい? それに ひも ない……」
紐パンだったの!?
ツェツィリーちゃんがパンツのゴムに指をかけて引っ張る。
「おお!」
ぱさり。
「すごい きょーすけ! のびる!」
両手でパンツを持ち、俺の顔に近づけて嬉しそうに広げて見せた。
「うん、良かったね。これではけそう?」
「やってみる!」
俺は部屋へと戻った。……無防備すぎるんだよなぁ。
「おふろ ありがと でした きがえた」
ツェツィリーちゃんが部屋に入ってきた。