聖女ちゃんお風呂に入る。
シャワーをさせようと思ったが、ずっと旅で風呂に入る機会も無かったのだろうし、ちゃんと湯を溜めることとする。
このアパートは狭いがバストイレ別なのは良い点だ。
浴槽に湯を張りながらツェツィリーちゃんを呼ぶ。
「入り口の籠に服を脱いで入れといて。石鹸は分かる?シャンプーは?」
「せっけん つかったことある しゃんぷぅ しらない」
実際にポンプを押してちょっと出してみせる。髪を搔くジェスチャー。
「シャンプーは髪の毛を洗うためのもの。石鹸はこのスポンジにつけて身体を洗う」
「はい」
お湯を捻ってシャワーや温度調整も説明。身体を洗って浴槽に入る、大丈夫そうかな?
「やはり きょーすけ いだいな まじゅつし」
「違うからね?あとタオルはここに置いておく。終わったら身体拭いて。んでとりあえずこれ着て」
タオル、ズボンとシャツを別の籠に。その上にとりあえずタオルを2枚置いておく。
「で、ツェツィリーがお風呂入ってる間、ちょっとだけ出かけるからゆっくりお風呂入ってて」
「わかりました どこへ?」
「コンビニ……近くのお店だ。すぐ戻るよ」
お湯が溜まり、ツェツィリーちゃんに入って良いよと伝えて部屋に。
しゅるりしゅるり、ごそごそと衣擦れの音が聞こえる。がちゃり、浴室のドアが閉められる音。シャーー、シャワーを浴びる音。
「ひゃー…………」
あーもう。数時間前にあったばかりの女の子が壁1枚隔てて全裸とか。勘弁してくれよもー。
俺にも大学時代に彼女だっていた。今はいないが。
女に免疫が無いって訳ではない。それでも出会ったばかりの異世界人金髪碧眼巨乳16歳美少女聖女ちゃんがお風呂に入ってるってシチュエーションに免疫なんてあるはずないんだよなぁ……。
「くそっ、神め」
聖女ちゃんに加護を与えているというなまこの神を想う。
「マジでない。マジでありえないが……感謝しておこう」
俺が神に祈りを捧げていると、風呂場から声が聞こえる。
「きょーすけ! たすけて! いたい!」
……コレだよ。