聖女ちゃんスマホを知る。
「どうしたツェツィリー」
「すまほ きになった」
話を聞くに、要はスマホ=カメラだと思っていたようだ。確かに昨夜カメラ機能しか教えていない。
「この板で遠くの人と話をすることもできる」
「しゅごい」
「というか、それが本来の使い方。カメラはオマケ」
「おまけで あんな せいみつな えがかける…… しゅごい」
ツェツィリーちゃんはスマホを持ってぷるぷる震えだした。
「写真な。それを遠くの人に送ることもできる。
例えば今、アリーさんって人と話してたんだけど……」
と言ってLINEを立ち上げ、ツェツィリーに許可を取って昨日の写真のなかから可愛く取れた1枚をアリー先輩に送る。
そして、『率直な感想をお願いします。ひらがなで』と書いて送る。
俺とツェツィリーちゃんが見てる中で、「既読」の文字が付き、すぐに『ん、かのじょがみてるのか?はじめまして』『すごいびじんさんですね!よろしく』と送られてきた。
「はい」
「びじんさんですね むふー……
はじめまして ありがと っていっておいて
でもしゅごい……」
俺は『はじめまして ありがと、だそうです』と送って時計を見てスマホをポケットにしまう。
さて、そろそろ昼前か。用意するかね。
「ツェツィリー、お昼ご飯にする?」
「する!」
「じゃー用意しようか」
「はーい」
俺はキッチンへと向かい、ツェツィリーちゃんはちゃぶ台の上の本とノートを片付けに向かった。