聖女ちゃんとすぷりんぐ。
ツェツィリーちゃんを起き上がらせる。
「きょーすけ これなに?」
彼女は好奇心豊かである。
ぶらさがり健康棒にぶらさがってはおへそをちらちらと覗かせ……。
「これは?」
スプリング遊具、プラスチックの鉄道を模した椅子の下に大型のバネが取り付けられて、地面に刺さってるやつのことだ。子供が公園で遊んでるやつ。
それに乗ってはハンドルを握り、全身で身体をゆらす。
「きゃー! あはは」
期待したほどたゆんたゆんはしない。何がとは言わぬ。だがとても良いものである。足場が狭いから開脚してカエルのように跨ってる体勢だからですかね!
児童用遊具に跨り全力で全身をスイングしながら歓喜の声を上げる金髪美人。
エロいのか事案なのか……。
「んじゃまーそろそろ行くか」
まあ事案なので人に見つかる前に移動である。ツェツィリーちゃんは上機嫌に答える。手を出してきたので、それを握って立ち上がらせた。
「はぁい」
「向こうの世界にブランコとかシーソーとか遊具はなかったの?」
俺の問いかけにツェツィリーちゃんはちょっと寂しそうに笑った。
「あったのかも わたし ちいさいときから しんでん いたから」
「あー……。すまん」
「いいよ おかげで いま たのしい」
くそー、どこか大きな公園とか連れて行って遊ばせたくなるなあ。でも大きい女の子が遊んでたらアレかなぁ。なんかうまい方法を……。
西小山の近く、荏原第六中学校の目の前まで進み、公園が途切れたところで彼女が尋ねる。
「どこいく?」