聖女ちゃんと土曜日。
「ごちそうさまでした」
「ごちそ さまでした おいしかった」
さて、朝食を終える。今日は土曜日である。
「今日は仕事、早めに終わるよ」
「やった なんじ?」
「8時過ぎかな。それで明日は休み」
ツェツィリーちゃんがばんざーいと手を上げた。
俺のバイトは木曜、日曜が休みで、土曜日は授業2コマで8時上がり、他は9時半までである。
うーん……仕事探しは来週動くとして今日明日のうちに目星はつけておきたいところだ。
「ツェツィリー今日の予定は?」
ツェツィリーちゃんはむむむと首をかしげ、金髪がさらりと流れる。
「おかたずけして もじの べんきょーして きょーすけが さんぽに つれてってくれる」
かわいいなぁもう!
「散歩好き?」
「きょーすけと いっしょ すき」
ああもう!
「じゃあ洗い物頼んでていい?その間に用事済ませておくから、後で散歩行こうか」
「はーい まかせて」
ツェツィリーちゃんが食器を持って流しに向かう。
俺はデスクに座って数日ぶりにパソコンを起動させる。カリカリという起動音にツェツィリーちゃんが流しでこちらをちらりと見た。
さて、仕事探しか。新卒採用時期とズレちゃってるし、まずはちょっとアテあるか大学の先輩にでもメールしておくか。……昼前にでも届くように予約しておこう。
後は大学の教授とかも一応……と。求人情報を眺めているうちにツェツィリーちゃんから声がかかる。
「きょーすけ おわった」
「ありがとう、ツェツィリー。じゃ散歩行こうか」
ツェツィリーちゃんがにぱっと笑った。