聖女ちゃんとめだまやき。
ツェツィリーちゃんがちゅるちゅると素麺を啜る。
「おかずもお食べ。卵……目玉焼きと言うけど、何かける?」
「めだまやき…… なにか かけるの?」
「かけないと味しなくない?」
ツェツィリーちゃんが首を傾げる。
うーん、パンとかに挟んでる感じでコレだけ食うという感じではないのかな。俺は普段は醤油派だがシンプルに塩胡椒にするか。
卓上塩を一振りと胡椒を軽く。フォーク……だと食べづらそうだな。箸で3つに分ける。
「きょーすけ きよう」
俺は笑う。
「この国の人間は全員これが使えるんだけどね。どうぞ」
ツェツィリーちゃんはまず白身をフォークで掬う。
「ぷるぷるしてう!」
してう。
はくり、と食べる。
「これ わたしのしる たまご ちがう!」
そのまま真ん中、黄味の部分へ。ちょんちょんとフォークで黄味をつつく。
「どうした?」
「やわらかそう なま?」
「火は通ってるけどどろっとしてるよ。潰さないようにお食べ」
絶妙な火加減、良い出来になったかと思う。
ツェツィリーちゃんは慎重にフォークで黄味の部分を掬うと、桃色の唇の間へと運んでゆく。
……もぐもぐもぐ。
きゅっと目を瞑り、拳を握り締めて手をぱたぱたと動かす。
「んーー!」
お胸も縦に揺れてますな。
「おいしい! たまご やくだけで おいしい ずるい!」
いや、ずるいって言われてもね?
俺は素麺を摘まんでずるずると啜る。
今朝の食事も満足いただけたようで何よりであった。