聖女ちゃんとたまご。
という訳で素麺である。
ツェツィリーちゃんにはまたサラダを作って貰うとして、おかず何か欲しいよねー。冷蔵庫を見ながら考える。……惣菜のフライドチキン温めて、あとは卵……。
「よし、簡単にやろう。ツェツィリーはサラダを」
「はーい」
「卵料理とかって食べてた?」
「ゆでたのとか ぱんはさむのとか」
ゆで卵にスクランブルエッグかな?
「生は?」
ツェツィリーちゃんはぷるぷると頭をふる。
「おなか こわす よくない」
……卵かけご飯はダメかな!
「目玉焼きかなー……」
「めを やく!?」
ツェツィリーちゃんがくわっと目を見開いて言う。
「いや、卵を焼きます」
そりゃ料理名までは知らんよな。
フライパンに油を垂らして卵を割り落とす。ツェツィリーちゃんがちょっと眉をひそめた。
「何か気になる?」
「やく たまごのきみ ぼそぼそしてる」
……サルモネラ菌とかの問題あるし、良く焼いてるのかね。
「綺麗な卵ならぼそぼそになるまで焼かなくて良いかな。美味しいよ」
「きたい する」
最後に麺を茹でる。
「あわが!」
水を差す。
「ふぇー…………またあわが!」
水を差す。
「ふぇー……」
ふふっ。俺が笑うとツェツィリーちゃんはぷうと膨れて俺の肩をばしばしと叩いた。
「はいはい、できましたよ。痛い痛い」
俺は麺をざるにあげて流水に晒した。