聖女ちゃんけりあげる。
「だいじょぶ でした」
ほっ、良かったぜ。
「じゅうよんの ころ からだが おんならしく なって」
二人の視線が自然と胸へと行く。わっしょい!
いや、そうではなく。あわてて目を逸らす。
「ゆうしゃさま しせん やらしい だいしきょうさま そうだんした」
だいしきょう……大司教か。なるほど。
「大司教様が助けてくれたんだ」
「いえ だいしきょうさま ゆうしゃさまに だかれろ いった
れんしゅう ひつよう わたしを ねどこ つれてった」
マジかよ腐ってやがるな。
勇者よ大司教よ呪われろと憤っていると、ツェツィリーちゃんは紅茶を口にして続ける。
「こかん けりあげて たおした レベル あがった」
レベル制!?
「しばらく わたしの ふたつな 『たまけりの せいじょ』 だった」
……Tama-keri!
どことは言わないがひゅんとした。
「あー……でもツェツィリーが無事で良かった」
「だいしきょうさまの こかん けりあげる よくない
かみさま そうだんした」
大司教以外の股間蹴り上げるのも良くないよ!?
「神様って天空の神様?」
ツェツィリーちゃんは首を振る。
「いえ わたし つかえる かみ てんくう ちがう うみの かみさま」
「へえ、色々な神様いるんだね」
多神教かー。
「うみ たくさん かみさまいる しんじゃ それぞれ ちがう かみさま かごうける」
「へぇ、面白いね。ツェツィリーは何の神様の加護を受けてるの?」
「おおいなる うみのそこ やみのなか せかいを じょうかし あらそわず いのち うばわぬ じあい いだいなる なまこの かみ」
「なまこかよ!」
俺がつっこむとツェツィリーちゃんは目をきらきらと輝かせた。
「きょーすけ なまこしってる すごい」
……そこ驚かれるの!?
「かみさま やさしい
うその しんたく だしてくれた」
「嘘の神託?」
「せいじょの ちから じゅんけつ やどる」
……純潔。おお!
「それで勇者が手を出せなくなるのか。神様すごいね!」
ツェツィリーちゃんはにこりと微笑んだ。