聖女ちゃんまた土下座される。
ツェツィリーちゃんの耳と俺の口の間にキラリと橋が架かる。
上気したツェツィリーちゃんの表情。
「すいませんっしたー!」
俺は速やかにベッドから降り、DOGEZAの構えへと移行した。
「かおを おあげ ください」
俺は不動。
「だいじょーぶ きょーすけ ゆるします」
ツェツィリーちゃんの声に俺はゆっくりと顔を上げる。ツェツィリーちゃんはベッドで身を横にし、上半身だけ持ち上げてこちらを見下ろしている。
腰の括れがエロい。ではなく、顔に怒りはない。
ふぅ……。ため息をつく。
……俺の朝はこうして1回の土下座から始まる。やめろ。
「申し訳ない」
「よいです きょーすけ ちょっと びっくり しただけ。
……また ゆめを みてた?」
「ああ、ツェツィリーに噛み付こうとする夢だった」
2人して壁際の角に視線が行く。
竜王め……。
「ふぁぁぅ…………んーっ!」
ツェツィリーちゃんがあくびをし、大きく伸びをする。
胸がとても強調される。
「あー、ツェツィリー。何時?」
ツェツィリーちゃんは枕元の時計を見て考える。
「えーと……ろく……ろくじさん……ちがう。ろくじじゅーごふん!」
えーと、昨日寝たのが11時過ぎ?半くらいか?
「まだ眠い?」
「んーん…… おきる」
「分かった。ちょっと耳を拭くもの持ってくる」
俺は立ち上がり、流しの方へ。
「きょーすけ!」
背後から声がかけられ、俺は振り返る。
「おはよ ございます」
「おはよう、ツェツィリー」