聖女ちゃんとへちま水。
俺は特に何ということは無いヘチマ水だが、それを開封する。
「手を出して」
ツェツィリーちゃんに手のひらを出させて、その上にヘチマ水をふりかけていく。
「これを顔にぱしゃぱしゃとつけていく」
「ぱしゃぱしゃ」
「軽く叩くように?」
ツェツィリーちゃんが顔を前に倒し、ぱちぱちと顔を軽く叩いていく。
しばらくぱしゃぱしゃとしているうちにツェツィリーちゃんがくわっと蒼い目を見開く。
「もちもちする……!」
うん。
「う…… うろおい?」
「うるおい」
「うるおい すごい!」
うむー。ツェツィリーちゃんの顔がつやつやとしている。
「うん、上げるからお風呂上がりに使うといいよ」
俺は彼女の前に化粧水の瓶と鏡を置く。
ツェツィリーちゃんは鏡を覗き込んで、「おぉぉ……」と感嘆の声を上げた後、むふーと満足げな鼻息をついた。
「きょーすけは わたし きれいにする」
「まあ、そうだね」
「おうきゅうの しゅくえんの ように おふろにいれ はちみつを つけたように かみに つやを」
王宮の祝宴か。パーティー。蜂蜜とか髪に艶を出すのに使うのかな?
「けしょうとは ちがう はだに つやをだす まほう…… ではない くすり?」
白粉的な化粧なのかな?だとすると肌艶とかはあまり重視されないかも。
「きょーすけは わたし きれいにして どうするの?」
「どうするとは?」
「たべちゃう?」
「たべちゃわない。んじゃまー俺は風呂入ってくるよ」
「はあい」