聖女ちゃんとこんでぃしょなー。
「かみに もみこむ かんじ?」
うーむ、女性の風呂に詳しい訳ではないが。
「シャンプーは、頭皮、頭の皮膚を洗う。コンディショナーは髪の毛をきれいにする」
「しゃんぷー あたま わしわしする こんでぃしょなー かみに もみこむ なるほど……」
ツェツィリーちゃんの髪を根元から先端まで梳いていく。
「つまり覚えたから次からは自分でできる」
「できませんー わすれました!」
ツェツィリーちゃんが首を振り、俺の手元の髪が蛇のようにうねる。ぬるぬると手の中で輝く髪の毛。うーむ。
「これでちょっと髪に馴染むまで待つ」
「まつ………… どのくらい?」
ツェツィリーちゃんは座ったままのけ反って上を見て、俺の顔を見て聞く。
くっそ視線誘導っ!
俺はツェツィリーちゃんの後頭部を押して前を向けさせる。
「はい、振り返らない。少しの間で良いからもう流すよ」
シャワーで流していく。ツェツィリーちゃんは髪の先っぽを持ってじいっと見る。
「ちょっと つやつや する? それに きしきし しない」
ここ鏡ないからな。……さすがに鏡あったら洗ってやらんが。
昨日はシャンプーだけ2回やってるしねー。油分が無くなって髪がきしんだであろうし、感覚は違うんじゃないかな?
「そこまですぐ変わるかは分からないけど、お風呂上がったら鏡見てみな。あと乾いたタオル外に置いておくから使って。んなとこかな、おしまい」
「えへ ありがと きょーすけ」
ツェツィリーちゃんは俺の右手を肩越しに掴んで引くと、頬ずりして唇を寄せた。




