聖女ちゃんと立ち話。
俺が外に出ると、ツェツィリーちゃんの周りにたかっていた生徒達がぱっと散る。
「じゃーツェツィリーさんまたね!肘川先生もさようなら!」
最後にみどりさんが離れていく。
街灯の下、ツェツィリーちゃんが微笑みかける。
「おつかれなさい きょーすけ」
……おつかれなさい?なんか混ざってる。
「ん。出迎えありがと、ツェツィリー。いつ頃からいたの?」
「くじじゅっぷんに いえを でた」
授業終わる5分前くらいに着いた感じかな?
「そっか。囲まれてたけどなんかされた?」
「だいじょぶです みどり げんき おもしろいこ」
あれは面白いというかツェツィリーちゃん見てテンションが上がってるというか。
「ところで…… ひじゅきゃわせんせい?」
あー……。苗字は伝えてなかったね。
「俺の名前は肘川京介。肘川が苗字、家名。京介が俺個人の名前」
「きょーすけ かめいある すごい?」
ツェツィリーちゃんは小首を傾げてこちらを見上げる。
「別に貴族とかでは無い。みんなある」
「ひじゅきゃわきょーすけ」
「ひじかわ」
「ひじきゃわ」
「きゃわわ」
「きゃわわ?」
「いや、なんでもない。ツェツィリーは可愛いなってだけ」
ツェツィリーちゃんは肘で俺をつく。何だよ。
「んじゃまー、帰ろうか」
「はい、ひじきゃわせんせい!」
ツェツィリーちゃんは俺の腕に彼女の腕を絡めて歩き始めた。