聖女ちゃんとにく。
「むう しゃしん しょくじちゅう よくない」
ツェツィリーちゃんに叱られてしまった。
「ん、ごめん。もうしない。肉どう?」
「おいしい! にく やわらかい くさみ ない!」
「それは良かった。豚肉のしょうが焼きです」
「ぶたにく! おぃんおぃん」
豚の声真似をされる。かわいい。
ツェツィリーちゃんはスプーンで炒飯を食べてはまた頰を緩める。
「あのはこ いれただけで こんなに おいしい…… げせぬ」
冷凍食品はズルいよなぁ。
今のはホント昔のより美味しいし。こういうの料理しなくなるの分かるわ。
「元々味がついてるからね。こういうの安く買えることに関しては、ツェツィリーのいたとこより上でしょ」
「そもそも あじの ふくざつさ けたちがう」
ツェツィリーちゃんが神妙に頷いた。
「いろいろ たべさせて もらった たようで どれも おいしい」
まあ、食生活の豊かさは間違いないよなあ。
ファンタジー世界で美味い飯ってなんだろ。ファンタジー特有の食材とかどうなのかな?
「ツェツィリーのとこで美味しい食べ物ってどうなの?ほら、こっちには竜とかいないんだけど、美味しいのかな?」
「たべられはする ただ おいしくはない」
ツェツィリーちゃんの眉がしかめられる。
ドラゴンステーキ!とかはないのか。残念だ。
「つよい まもの とうぜん にく かたい
うまい りょうりにん やわらかく するけど……」
ツェツィリーちゃんはフォークで豚肉を一枚持ち上げた。
「これほどではない」
まぁ、野性の獣と食用家畜比較して、野性の獣のが美味いってことは普通に考えればあり得んのか。
ツェツィリーちゃんは持ち上げた肉を食べる。
……もぐもぐもぐ。
……肉の減りがはやくねぇ!?俺の分も喰われた感が。
まあ、俺は昼に肉のピザ食ったし良いけどさー。