聖女ちゃんとしょうが焼き。
「ああ、いかん。そろそろ夕飯作らないと」
スマホに聖女ちゃん写真フォルダを作っている場合では無いのだ。そのうち厳選して現像したいとこだ。
「おてつだい する」
と言うわけで台所へ。ツェツィリーちゃんにキャベツを千切りにして貰いつつ、生姜を摺り下ろしタレを作る。しょうが焼きだ。
「それ からい ねっこ」
「しょうがとかジンジャーって言うけど知ってる?」
「にたの あった くすりになる」
あー、似た植生だけど薬草扱いか。
「たぶんそれ。実は料理に使える」
俺は豚肉をタレに漬けて焼く。タレの香りがキッチンに満ちる。
「ふあぁ おいしそう」
「うへへ、美味いのよー」
俺は冷凍炒飯を皿にあけてレンジに突っ込み、ツェツィリーちゃんにはまたサラダを作って貰う。
後はお湯湧かしてインスタントの味噌汁でいいな。
出勤前だしね。手抜き手抜き。一品作ってるからまあ許せ。
「はい、完成」
ちゃぶ台の上に並べていく。
炒飯と味噌汁にしょうが焼きとサラダ。ちゃんと飯ですよ!
食器はフォークとスプーン出しておこう。
「さ、食べてー。悪いけどあまり時間がない」
ツェツィリーちゃんも座ってさっとお祈りをする。
「きょうの かてを あたえたもう きょーすけと かみに かんしゃを いただきます」
「はい、いただきます」
俺は足元でスマホのカメラを起動する。
ツェツィリーちゃんがしょうが焼きをフォークで刺し、肉を口に入れて笑み崩れたところを一枚パチリと写真に撮った。
うむ。