聖女ちゃんうそはすぐ気づく。
「まゆ かえっちゃった なにしにきた?」
ツェツィリーちゃんが首をかしげる。
「んー、たまたま会っただけって感じかなー」
「……うそっぽい」
嘘はすぐバレるな。俺は苦笑する。
真由はヒロと喧嘩したかなんかだろ。女友達じゃなくて俺のとこわざわざ来てるんだからまー、真由の側がまた浮気でもしやがったのが友達にバレてるか、ヒロが真由の友達と浮気したかな。……これ以上は下衆の勘ぐりになるか。
俺と会って元鞘もどそうとしたのか、遊んでヒロへの当て付けにしようとしたのか。あるいはまあ俺がフリーターやってるって誰かから聞いてるなら、俺にヒロの愚痴言いながら俺を見下げて溜飲を下げようとしたのか。
……まあ最後のが一番ありそうだ。
「昔付き合ってた俺の様子見にきたら、横に超可愛い女の子がいて幸せそうだったので当てが外れたのさ」
「ちょーかわいい わたし?」
「うん、超可愛い」
「きょーすけ しあわせ?」
「この2日間はとても幸せだよ」
えへへーとツェツィリーちゃんが笑う。
「めいわくかけてる でも しあわせ よかった」
うん、と頷き、地面に置いた荷物を持ち上げる。
「さて、ウチ帰って料理でもしようか」
「ん!なにつくる?」
……なんだろうなー、パスタとパンが多いから米が食いたいな。
「ご飯を作ろう、お米を使った料理で」
「たのしみ」