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聖女ちゃん勝つ。

 そのタイミングでツェツィリーちゃんが店の中から出て来る。


 俺がどうやら他の人と話しているらしいと気づいたのか、途中で歩みを止めて軽く首を傾げる。


「きょーすけ おはなしちゅう?」


「ああ、すまん。拾うの手伝えなかったな」


「いいえ だいじょぶ」


 ツェツィリーちゃんと話して真由に向き直る。

 人には他と比べる心理があり、一般的に男より女の方がその傾向は強い。そして真由は特に比べたがりであった。

 彼女の顔が僅かに歪んだ。


「その子は?」


 真由の瞳が小刻みにツェツィリーの上を動く。

 ……顔、胸、下半身、腰、胸、髪、顔。


「彼女はツェツィリー。こちらは河野真由」


 ツェツィリーちゃんが頭を下げてから、俺の横につく。


「はじめまして まゆ」


「え、ええ。はじめまして。……えっと、キョースケ。どういう関係?」


「えっと「かのじょさんです!」」


 …………おう。

 周囲の人がこっち見んのハズいんだが。

 ツェツィリーちゃんは俺の腕に手を絡めてきた。


「うん、今付き合ってるんだ」


 すっと真由の顔から表情が抜けた。


「そう、おめでと」


「コーヒー飲みにいくか?」


「いいわ、お邪魔だろうし帰るわ」


 俺が声をかけるが、彼女は武蔵小山の駅へと歩き出した。

 俺とツェツィリーが視線で彼女を見送る。


 …………ふぅ。ため息がでた。


「すげーわ、ツェツィリー」


「わたし すごい?」


「ああ」


 俺は頷く。

 ツェツィリーちゃんが存在するだけで、真由が何も言えずに負けを察して帰ったわ。

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i521206
― 新着の感想 ―
[一言] 剣豪同士はお互いの実力を察し……
[良い点] 『ツェツィリーちゃんが存在するだけで、真由が何も言えずに負けを察して帰ったわ。』 素晴らしい! さすつぇつぃ! スカッとしますぜ!
[一言] やったぜ!ツェツィりん!今夜は実績作りだ!!wwwwww
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