聖女ちゃんぷにぷに。
「酷くないよ」
「ていこう できぬ じょしの かはんしんを なんども つくとは きょーすけ ひどい」
言い方ぁ!
ツェツィリーちゃんはぷうと頰を膨らませて言い、笑い出す。
「ひどい きょーすけ ひどい」
ツェツィリーちゃんは脚を伸ばし、つま先でぷにぷにと俺の脇腹を突く。
「おなか ぷにぷに」
俺はがしりと足首を掴み、ツェツィリーちゃんの足の裏をしばらくの間くすぐり倒した。
「……よし、んじゃまー買い物行きますか」
「はー…… はー…… うう ひどい」
「はいはい、仲直り」
と言って彼女の手を取り、ベッドから立ち上がらせる。
「むむむ」
玄関に向かう間もツェツィリーちゃんは俺の背中をびしびしと指で突いて来るが、気にせず外へ。
暑くなってきたな。天気は良くて時間帯的にも暑い頃合いだ。
「てんき いい」
「うん」
手を繋いで階段を下り、駅前に向かって歩き出す。
えーと、クッションとか枕とかかー……。駅ビルの『無印良品』でいいかな。……色々と金かかる。
ん、そうだ。
俺はちょっと方向を変えて、職場の個別指導塾の前へ。家からすぐではある。
「ツェツィリー、あの建物が俺の働いてるとこね」
「おお!」
「多分無いとは思うけど、もし、万が一俺が出てる間に緊急の事態が起きたら、ここまで来て」
「わかった」
じゃあまた駅の方に向かいますかね。朝も通った道を行き、駅前へと向かう。