聖女ちゃんピザを見る。
店員さんにピザをカットするかどうか聞かれたのでカットして貰うよう頼む。ナイフとフォークでピザ食うなんておしゃれな食べ方出来ないって……。
「ドリンクバーに飲み物を取りに行きます」
「どりんくばー」
ツェツィリーちゃんを連れて店の奥へ行く。グラスに氷を入れてピッチャーの前へ。紅茶やジュースの入ったピッチャーが8つくらい並んでいる。
「どれがいい?紅茶とか甘いのとかあるよ」
「いっぱいある ……なやむ」
「おかわりできるから大丈夫」
「すごい じゃあ これ」
オレンジジュースを指したので、それを注ぎ、俺はアップルジュースを注いでテーブルに戻る。
ツェツィリーちゃんはストローを手にして呟く。
「のびない」
「パック……箱についてるようなのしか伸びない」
「ざんねん」
ちゅーとストローでジュースを飲んで微笑んだ。
「あまい おいしい」
うん。俺は頷く。
スープが先に出される。パプリカとか入ってるコンソメスープって感じかな。塩気が薄くて結構甘味が強い。
そして店員さんがピザを持ってくる。
「お待たせしました、こちらジャポネーゼと」
俺が手を上げる。
「クアトロフォルマッジ、こちら蜂蜜です。ごゆっくりどうぞ」
ツェツィリーちゃんの前にクアトロフォルマッジと蜂蜜の小さな器が置かれる。
ジャポネーゼはこの店のオリジナルピザ。モッツァレラチーズと塩豚、黒胡椒に青ネギという、パンの上にふんだんに青ネギの緑が散らされたピザだ。
クアトロフォルマッジはクアトロの名の通り、4種のチーズがかけられたピザ、この店はモッツァレラ、ゴルゴンゾーラ、自家製リコッタ、パルミジャーノの4種がかけられているとか。
生地とチーズの黄色なのだが、ゴルゴンゾーラの黒っぽいところや、モッツァレラの白い部分が分かる。
ツェツィリーちゃんが呟いた。
「まるい…… おっきい」