僕の正義が死んだ日
ちょっと?エロいです
「おっせえなぁ~あいつら」
真夜中の公園の中で一人の男が暇そうに喋る、男はリーダーを待っていた。リーダーからいつものようにおもちゃが提供され、それで遊ぶ。おもちゃは傷つけると大抵面白い反応をしてくれる、どんな強情な奴でも最後には泣きながら許しを請う。自分で傷つけるのも十分面白いが一番面白いのはそいつらを”仮開放”した後、そいつらの言い分、殴られた、乱暴された、犯人の顔を見た等々は残念ながら無視される。そいつらが信じたものに裏切られ失意のどん底に落ちるのが好きだ。リーダーの父は警察のお偉いさん、神様ってのはつくづく残酷だ。
「言い訳に時間かかってんじゃね?流石に殺したのはまずいっしょ」
女が携帯を弄りながら吐き捨てる、前のターゲット。弁当屋で働いてる女だったか、力加減を間違えて殺してしまい、酒代を奢らされてしまった。まあ、女の口に熱した石をぶち込んでやったのは爽快だった。泣きながら自分の主人の名前を呟いてやがった、今日はその主人で遊ぼうと思ってたが肝心の主役とリーダーが来ない。
「おまたせー」
リーダーが歩いてくる、その隣にダチ二人。いつもの面子が揃った、連れている男は怯えきっていて相当可愛がられたことが分かる。信行の魔法はマジで食らいたくないからな、気持ちは分かる。
「じゃ、あそぼっか」
リーダーの顔が無邪気に歪む。
「今日は君か、よろしく頼むよ」
本城が目の前の女性に下卑た笑みを投げる、女性は口角を吊り上げてそれに応える。本城はいつものように慰め者を呼んでいた。女を踏みにじるのはとても愉快なことだ、息子のことを強く言わないのもこれが原因だ。正直息子が行っていることは、かなり好きな部類に入る。こう言っては何だが息子がしでかすことを楽しみにしている自分もいる。部屋に女を入れ、服を脱ぐ。中年太りした裸体が現れる、本城が息を切らしていることもあり、とてつもなく不快な...不快という言葉が似合うものを見せろと言われれば迷いなく見せられるほどには不快だ。
「どうした、君も早く脱ぎたまえよ」
下着一枚纏った本城が粘着質な言葉を投げる、
「そうですか、では遠慮なく」
女にしては少し低い声だ、その感想を抱く前に言葉への応酬としてナイフが飛んでくる。ナイフはまっすぐに本城に突き刺さる、本城は悲鳴を上げようとするがすぐに口を塞がれる。
「気分はどうですか?本城警視正」
聞いたことのある声...
「お前、ひっ...日元か!た...助けて!」
「この部屋の防音性能はあなたが一番よく分かってるでしょうに...」
日元はそう言い、本城の首元にナイフを当てる。無慈悲なまでに冷たいナイフが首に当たる。
「いろいろと調べさせていただきました...あんな人間を育て上げるあなたです。こういうこともやっていると思い調べたのですがビンゴでした」
「あなた相当嫌われてるんですねぇ...あなたが応対した方に料金の半分程で代役を任せてもらえるよう頼んだのですが、二つ返事で了承してくれました」
「さっきから何言ってやがる!」
そう言った瞬間本城の体から触手が出て、日元を一瞬で拘束する。日元は本城を睨む、本城は距離をとりニヤリと笑う。日元は身体に力を込めるが触手の力は強く何もできない。
「日元君...ぼくの魔法を忘れてない...?」
「無詠唱でここまでとは正直驚きです、ですが」
本城はドアを開けようとドアノブに手をかける、ドアが開
「強化魔法 スサノオ」
く前に、日元は触手を引き千切ってドアに手をかける本城の手を手刀で切断する。
「ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ」
部屋のひどい匂いに、悲鳴が追加され居心地が少しマシになる。日元は本城に頭突きをお見舞いし、本城の口を塞ぎ、再度首にナイフを向ける。
「本城さん、あなたには罪を償ってもらいます」
本城の顔から汗が本城を覆うように現れる、魔法を使おうという気持ちは少しも無かった。使えば確実に殺される...
「罪...?何の話だ」
「ご子息がやったことをずっと隠し続けた罪です、あなたはそれを償わなければならない」
「何を言って...」
日元の拳が飛ぶ
「ひっ...」
日元の拳が飛ぶ
「証拠はあるのか!そんなこと誰も知らない!」
「残念ながらあなたが証拠を全て消してしまいましたねぇ...ですが。私は証拠を掴んでいます」
「何を言う、それにこんなものが犯人逮捕と言えるか!君は私より重い重罪に課されることになる」
「大丈夫ですよ。私が法の執行人です」
「これからはあらゆる罪を私が裁きます、あなたのような存在をこの世界から駆逐するためにひたすら働きます、でも大丈夫。そんなあなたにも贖罪の機会は与えてあげますよ」
「証拠は私です、これなら消しようがないでしょう」
本城は学校の授業を受ける子供のように困惑していた、言っている言語は本城も分かる。だが意味が分からない。死への恐怖という感情はない、だが分からないことへの恐怖が指数関数的に増幅していく。
「あなたに対する贖罪を言い渡しましょう」
そう言い、日元は床にナイフを立て、その上に本城をちょうど背筋トレーニングのような体勢になるように縛る。本城は必死に力を入れる、ナイフが光っている。
「背筋に力を入れないと頭にナイフが刺さって死にますよ。私はこれから用事を済ませてくるので」
日元は部屋から出ていく。
「お待たせしました、報酬をお持ちしました」
そう言い、日元は女性にお金を渡す。女性は礼を言い、去っていく。見たところこの女性は女子高生ほどの年齢でいかがわしいことを行える年齢ではないだろう。それにこういう人間は集団の中に混ざってしまうと誰も見つけられないだろう、それを見越してこの人間になり替わった。日元は本城の息子が居る公園に行く。
「ふーふーふーぅふー」
腹式呼吸のようなものをしながら本城は耐えていた。声をあげてもこの部屋の防音性能は折り紙付き、考えたくないがどうあがいても助けはこないだろう。それでも死にたくない、
「ふーふーふーふーふー」
そう思った瞬間呼吸のリズムが崩れ、高さが低くなっていく。だがすんでのところで止まる。自分が行ったことが思い出されていく、隠蔽で被害者が絶望の淵に落とされるのをずっと見てきた。自分は内心笑ってそれを見ていたが、今ならそんなこと一切思わない。子供の頃も気に入らない貧乏な奴を虐めてきた、それはとても愉快なものだった。強者にのみ許される弱者を虐げる行為、だがそれら思い出も今は本城の冷静を欠かせ、死に至らしめんとする枷になり果てていた。身体の筋肉を使い尽し、頭が落ちる速度が速くなる。
「いやだ!ゆるじ、ゆるじでぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!」
ナイフが刺さる、本城は物言わぬ肉塊へ戻った。
人物の顔の描写はあまりしないのですが、日元はもともと中性的な顔立ちをしていて女装が中々にうまいです。この時化けた人の都合上彼は露出がとても高い服を着ています。とてもアレなのでいつか絵に落とし込んでみたいですね、はい