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セシルとお兄様達

 最近セシルのブームは手遊び歌です!お母様からも教わってお父様からもおそわりました。とっても楽しいです。

「おててをぎゅっ」

お父様が右手をグーにしました。

「ぎゅっ!」


お父様は右手の上で左手をふわふわさせました、するとそこから炎がふわふわでてきました。

「左手でふわふわ」

「ふわっふわ!」


「炎拳のできあがり!」

お父様が楽しそうに右手を突き上げました。右手は炎に包まれてます。

「できあがり!」

セシルも真似っこです!右手を突き上げて見ましたが炎はちっさいのがちょこんと乗ってるだけです。包まれませんでした。


「お父様の地味」

そう言ったのはジョゼフお兄様です。

「なに!ジョゼフ、どこが地味だ」

ジョゼフお兄様が後ろから抱きついて来ました。ちょっと重いです。と思ったら、視線が上がり、ひょいっと方向が変わりました。ジョゼフお兄様とおでこがごっつんこしました。ちょっと痛いです。

「僕との手遊び歌の方が楽しいよねー」

「ほえ?ねー」

「セシルはモテモテね。将来が頼みしだわ」

横で不思議な棒のお手入れをしていたお母様が笑いながら言いました。そういえば、それなんでしょうか?

「お勉強は終わったの?」

「はい、終わりました。このあとお兄様達と剣術です。」

「じゃーそろそろ、アラン達も来るかしら」


お母様がそう言うと、バタバタとした足音がひとつ聞こえて来ました。あとアランお兄様の声も。

「おわったー!!何か食べたい!」

お部屋に飛び込んで来たのはウジューヌお兄様です。廊下でウジューヌお兄様に怒ってる人の声も響いてます。

「ウジューヌ、ちゃんと授業を終わらせて来たのか?」

「やったやった。大丈夫。それにもう時間だし」

「はぁ・・・」

お父様が頭を抱えてます。

「お、セシル、ジョゼフに抱っこか!おれも抱っこしてやるよ!」

「い、いい!!」

ニコニコ笑顔でウジューヌお兄様が来ました。嫌です。その笑顔は怖いです。

「ウジューヌ兄様!今は僕が抱っこしてるんだよ」

「お、ジョゼフ言うようになったなーだが、俺の方が強い!」

そういって、セシルの脇に手が入ったと思ったら無理やり引き剥がされました。

「じょじぇふ!!」

「セシル!!」


「わっはっは!セシルはウジューヌがいただいたー!!!」

悪役みたいなセリフを言うと、ウジューヌ兄様が走り出しました。流石にもう肩に担がれなくなりました。でも走るので酔います。目が回ります。

部屋の中を走り回りながらくるくる回るのはやめてほしいです。


「あ!!ウジューヌ!やめなさい!」

アランお兄様の声です。もうセシルは周りがグワングワンしててわかりません。

「アランお兄様。俺はセシルとジョゼフと遊んでただけだよ」


「ウジューヌ兄様!!それは遊ぶって言わない!セシルをみてよ!」

周りが回ってます。気持ち悪いです。

「あっ」

「セシル大丈夫?」

また違う人に抱きかかえられました。でもこの声はアランお兄様です。

「アランおにいしゃま・・・きもちわりゅい」

「だろうね、目が回ってるね。」

「本当だ、目ってくるくるするんだね」

張本人はケロっとしながら言ってきましたひどいです。セシルは気持ち悪いのに〜。

「きもちわるい」

「はいはい、みんな、次の剣術の用意はできているの?」

「「あ」」

「セシルに構うのはいいけど、そろそろ準備しに行きなさい」

「はーい」

「さて、セシル。大丈夫?」

冷たい布がおでこに乗せられました。気持ちがいいです。流石お母様。

「ママ〜うじゅーにゅいじわるするー」

「そうねー。あの子は好きな子に意地悪するタイプね。構ってほしいのよ」

ウジューヌ兄様と遊ぶとろくなことがないです。確かに、お母様の言うとおりかもしれないです、一対一だとこんなことしないんですけど、謎です。


 *


例えば、こないだなんて、みんな家庭教師からの課題をやってる時はセシルは暇なので、中庭で土いじりして時です。ちっちゃいシャベルとバケツと、穴が空いちゃったお菓子の型で土遊びです。ペタペタ土の上に柄を作っていました。


「セシル、また変なの作ってんのな」

「ウジューにゅにいしゃま」

これは、またサボって来たんですね。だって今日いっぱい課題出されたってエドガーお兄様が言ってましたし、いつもそばにいてもいいよっていうアランお兄様が、集中したいから今日はごめんねって言うくらいです。

「よいしょっと」

お兄様は横に座って、セシルと一緒に土いじりを始めました。

「うじゅーにゅにいしゃま、いいの?」

「おう」

それは、いいのか悪いのかわからないですけど?お兄様の土は、どんどん縦に大きくなっていきます。何ができるんでしょうか?途中水とか炎がでて土を固めて行きます。ナイフで削ったりしていたら、なんと、天馬になりました。

「しゅごい」

「まぁな、セシルは天馬見たことある?」

「にゃい」

「見にいくか?馬小屋にいるぞ」

馬小屋にいるもんなんですか?!

「見る!」

 そう返すと、セシルを抱っこして馬小屋に連れて行ってくれました。そこには、普通の馬も天馬もいます。筋肉むきむきなのと優雅なほっそりとした馬といろいろです。

「綺麗なやつは、お祝い用とか祭り用だ。ムッキムキで強そうなのは軍馬や、重いの運んだり、デカイ馬車よう」

「ほえーーー」

「さわってみるか?」

「え」

馬って意外に大きいです、顔も大きいです。ウジューヌお兄様は平気そうに顔を撫でてますけど、セシルはちょっと怖いです。馬の鼻息はでかいです。

「ほら、触ってごらん、平気だって」

そう言って、セシルの手を取って、ほっそりとした美人さんな天馬さんの頭を撫でさせてくれました。結構長い睫毛に、綺麗な青い瞳で綺麗です。

「ほら、平気だろう」

「うん」

「きれい〜びじんしゃん!」

そう言うと、天馬さんが頬ずりしてくれました。

「ありがとうってさ。良かったな、気に入られて。背に乗せてくれる奴らは、気に入らない限り乗せてくれないからな、セシルは乗せてもらえるぞ」

「やったー!」

「ま、もうちょっと大きくなってからだけどな」

いつもと違って色々教えてくれるウジューヌお兄様、いつもそう接してくれればいいのにーと思いつつ一緒にお馬さん達と触れ合ってたら。

「ウジューヌ様!!!!どこですか!!!」

大きな声でお兄様を呼ぶ声が聞こえました。

「げっ」

「うじゅーにゅにいしゃま、デジレ、プンスカプンスカだよ?」

あの声はウジューヌお兄様の従者、デジレさんです。声は怒り狂ってます、最近お兄様達の従者さん達を覚えたんです。おっきくて気づかなかったですけど、みんなお兄様達より年上でした。アランお兄様には専属の従者が2人、他のお兄様は一人ずつです。

「逃げるぞセシル」

それはまずい気がします。でも、セシルはお兄様に抱っこされているのでされるがままです。馬の背に乗せられて、お兄様は柵を外してお馬さんを連れ出しました。ぽっかぽっか揺れて怖いです。背中にぴったしくっついてると、デジレさんがみえました。

「ウジューヌ様!!!」

「げっ見つかった。」

そう言うと、お兄様は馬に飛び乗りました。嫌な予感しかしません。

「セシルおりる!」

「むり!」

ウジューヌお兄様が馬の腹を蹴りました!セシルはぽーんとお馬さんの背中の上で跳ねました。お兄様がすかさず片腕で抱きとめてくれましたけど。とっても怖いです。お父様が乗せてくれた時と全然違います。


「ひぃぃ降りる!!」

デジレさんがセシルに気づきました。

「ウジューヌ様!!セシル姫?!」

早いです。怖いです。お兄様は笑ってますけど怖いですよ!

「舌噛むぞ!ほら!走れ走れ!」

どんどんスピード上がります。ジャンプまでします。

「ひょわわわ」


結局その後、領内の視察から帰って来ていたお父様に見つかって、ウジューヌお兄様はこってり怒られてました。怖いお父様を初めて見ました。セシルは悪いことはしないようにしようと思いました。


ジョゼフお兄様とは最近、アランお兄様の取り合いが多いです。

「アランお兄様みて!」

持っているのは何か書いてある文字です。セシルには読めません。

「すごいな、ジョゼフ!

なんだかムッとしてしまいました。お兄様と一緒に机に並んでおすわりしてお勉強してたのにー、セシルはお絵描きだけどー。

「アランお兄しゃまみて!」

セシルの渾身の力作!うさちゃんとセシルとおにいさまです。

「アランお兄様、どうかな!おかしなところない?」

「セシルが先!」

「僕が先!!」

「「むーーー」」

「あはは、二人とも仲良くしようね」

ジョゼフお兄様と一緒に頭をナデナデされました。



 エドガーお兄様はいつも横に座って一緒に本を読みます。時々小さい魔法を見せてくれます。キラキラした炎の蝶々やウサギさん、リスとか馬とか小さいのがホワホワっと現れて消えちゃいます。

「つぎ、ロジュアンルー」

「ん〜」

両手を握って手を振るってから開くとそこには小さいロジュアンルーがいました。

 エドガーお兄様との手遊び歌は、何も出てこないおててをパチパチするので楽しいです。謎なお歌でさっぱりわからないですけど、お兄様も意味は知らないそうです。

「アンセカ カンセ オーエ オラエー オラ オラ マナマナ」

お互いの手のひらを交互に叩きながら歌います。

「「アン ドウッ トゥワ」」

お互いの手を挟み撃ちです。両手を挟みみたいにパチパチしながら相手の手をサンドしたら勝ちです。

「ひぃー!!」

「あっ抜けた」

「セシルの勝ち〜!」

エドガーお兄様の両手から抜け出して、閉じた手をペチンと抑えられました。

「あははは、ヤラレター」

「セシルつよくなったのー」

「ふふふ、そうだね」

頭を優しく撫でられました。エドガーお兄様との遊びは、ほんわかしたのが多いです。


* 


アランお兄様は常に王子様です。優しいし、最近花冠を侍女さんに教わったらしく、セシルに作ってくれました。

「セシル、可愛い!」

そう言ってほっぺにチューしてくれます。

「アランお兄しゃまも!」

真似っこで作った花冠、閉じる部分はお兄様にしてもらって、頭に乗せました。お揃いです。

「お揃いだね」

「おしょろい!」

「セシルは誰が一番好き?」

それはもちろん。

「アランおにいしゃま!」

「ふふふ。」

「ママ!パパ!」

「うんうん」

「アランお兄しゃまは?」

「もちろん、セシルだよ。セシルは僕の可愛いお姫様だよ」

そう言うと、アランお兄様はぎゅーって抱きしめてくれました。


エドガーとセシルが遊んでる手遊び歌は、昔北欧の子に教わった手遊び歌でめっちゃうろ覚えな歌ですw

「おせんべ焼けたかな」の手遊びに似てたんですけど、結局どう言う意味か知らずに終わりました。


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