夢を見ました。
「大丈夫だ!××××!!できる!」
「やだーもうやりたくないー」
「畳の上で泣くな!!」
怖い男の人が胸ぐらを掴んできまます。やらないと怒られる。お姉ちゃんたちが外から見てます。綺麗な洋服をきて、自分を待つ間遊んでます。一人はバレリーナのポーズをとって、もう一人は手遊びをしながら。
「お姉ちゃんと遊びたい!」
「お前は、ここで練習だ!」
あざだらけの手や腕、綺麗なお姉ちゃんの腕や手。朝起きると、連行するかのように父親に連れて行かれる道場。負けたら怒られて、勝っても怒られて。
「お母さん、もうやりたくない」
「やるって言ったのは、××××だから最後までやりなさい」
「そんなこと言ってない。もうやらない」
「何言ってる、年上を負かしたんだぞ!お前は才能がある!」
「もったいないよ。××××ちゃん。やろうよ」
「ずるいよ、やめるなんて」
楽しそうに同じ服を着ている子たち、でも××××はこの服がだいっきらい。
「お姉ちゃん、やりたくない。」
綺麗な服を着てる、一番年上のお姉ちゃんを捕まえてお願いすると、しゃがんで頭を撫でられた。
「無理よ。パパの気がすむまでやめさせてもらえないわよ。」
「どうして、××××だけやらなきゃいけないの?」
「・・・女しか生まれなかったから、パパは男の子が欲しかったのよ、ママはそれを責められてたから、助けてくれないわよ」
練習であざになったところを優しくお姉ちゃんは撫でていく。
「・・・あんたは、私達の可愛い妹よ」
「男より強い女って、こえーよな」
「付き合う奴なんていなくね?」
「俺がいるいみなくない?」
「男の方が惨めだね」
細くて背が高くて、腹が立つことしか言わない男の子。
「××××ちゃんかっこいい」
「××××が男だったらよかったのに」
「そこらへんのやつよりカッコいいよね」
「××××は、私の王子だから!」
キラキラして細くて可愛い女の子。
私の王子さまはどこにいるんだろう?
*
セシル知ってる、これって神様のお庭の記憶。でも辛いのばっかり。神様のお庭は辛い場所なのかな?そしたら、セシルは、今がとっても幸せ。だって、セシルは今、お姫様だよ。優しいジョゼフお兄様に、アランお兄様にエドガーお兄様にウジューヌお兄様、優しいママに、パパ!
可愛いお洋服も着せてくれるし、怖いことはしなくていいよっていってくれる。
セシルは神様のお庭の記憶なんていらない。ママとパパが心配する記憶なんていらない。
<本当に?>
だれ?誰かが立ってます。後ろを振り返れば、神様の庭の記憶の女の人が寂しそうに立ってます。遠くの方にセシルと同じくらいの女の子がたってます
<武術はやりたかった事じゃないの?>
セシルはお姫様になりたいです。あの、お姉さん達みたいに可愛くなりたいです。
<守るためにやりたかった、でもそれはあの世界じゃなかった>
どう言う意味ですか?セシルの話きいてます?
<私はマルディ家に生まれたかったんだよ>
それは、セシルのお家です
<マルディ家は・・・>
:
:
*
「セシル ・・・・ セシル」
セシルを呼ぶ声がします。目を開けると、ジョゼフお兄様がいました。
「大丈夫?セシル、頭は痛くない?」
おでこに、冷たいタオルが置いてありました。布が変わってまたひんやりします。
「じょじょー」
「何か食べる?セシル、またお熱がでちゃってるんだよ。」
「じゅーすー」
「わかった。ばあやに言ってくるね」
「ぁ」
お兄様が握っていた手を外してしまいました。
「じょーじょー」
呼んでもお兄様はきてくれません。声も小さいからしょうがないです。さっきまで夢を見てたきがするのに思い出せないです。大切なことだったような、どうでもいいことのような。
「セシル」
声に目をあけると、お祖母様がたっていました。追いかけて着たお祖母様です、怖いです。
「ふぇ・・・」
「ああああ、ごめんなさい。セシル。大丈夫よ、もう追いかけないし、無理に教えないから。ね?泣かないで〜、散々、コンスタンスにも叱られたし、ジョゼフに怒られたし、ドラハには呆れられたし。もうやらないから、ね?またバーバとお話しましょう。だめかしら?」
「バーバ・・・もう・・・やらない?」
「やらないわ。大丈夫よ」
「あい」
優しくお祖母様が頭を撫でてくれました。もう武器をもって追いかけてこないそうです。よかったです。あれは怖かったです。
「あ、お祖母様」
「ジョゼフ、大丈夫よ。悪さしてないから」
「本当ですか?またセシルが熱を出したら、僕お父様にいいつけますからね」
「わかった。わかったから」
お祖母様がジョゼフお兄様に怒られてます。なんだかおかしいです。
お兄様がジュースをのましてくれたら、また眠くなりました。
*
青い髪の女の子が水辺で足だけ入れて、ぼーっと涼んでます。その向かい側の水辺では、同じように赤い髪の男の人が足を水辺にいれながら、女の子をじーっと見つめてます。
「楽しい?」
「うん。楽しい」
「へんなの」
「そうかな?」
「ここ、息苦しくならないの?水のマナが強いのに」
「君に囚われてるみたいで、心地いよ」
「・・・変態?」
「そうかもしれない。」
「はぁ・・・・」
「ため息つくと幸せが逃げちゃうよ。」
「そうねぇ〜」
「・・・ここは気持ちがいいよ。静かだし、優しいマナに満ち溢れている」
「・・・・」
幸せそうな笑顔を男の人が女の子に向けました。女の子は困まった顔をした後、首を傾げて・・・。