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 ああ、もしもし。俺です。


 万穂の、ああ、いや、西住さんのお宅にはもう行かれたんですか。そうですか。どんな話をしました?


 ええ。拒絶されなかったでしょ。泣かれもしなかったでしょ。で、許されもしなかったでしょ。


 あなたの心配していたことは何も起こらなかったでしょ。


 施設? すずらんのことですか? ええ、いいところだと思います。俺、家族のいない万穂の気持ちは今でも分かりません。でも、俺、生まれるなら、俺の家じゃなくて、あの施設がよかったと思うくらいです。


 帰る家があっても、帰る場所があるとは限りませんから。


 俺の話はあまり興味ないと思いますけど、俺の家、すごく貧乏なんです。父親は外に女を作って出て行って、母は酒飲みの男好きで毎晩のように男を連れ込んで弟ばかりをかわいがり、わがままに育った弟は気分のままに俺を殴ります。耐えかねて俺が弟を止めれば、母が物を使って俺を攻撃します。包丁を向けられたときから、抵抗するのはやめました。


 俺は家族の誰もに軽蔑されています。それは、まあ、自業自得なんですけど。


 とにかく、俺がこの世で一番嫌いな場所が、あのボロアパートの一室でした。


 あの施設はいい家です。あそこの皆さんは、良い家族です。とても温かいんです。



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