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ひとりの人間と世界の物語  作者: ぽんきち
第一章
1/5

はじまり

人生初書きです。至らない部分も多く文章もへたくそですが、文句でもいいので感想書いてくれると嬉しいです。

昔神は世界を作った。


神は次に生き物を作った。


たくさんの失敗作が生まれた。


ついに望んだものが完成した。


神は世界を彼らに与え、失敗作には別の世界を与えた。


そして最後に彼らを見守るものを作り、神は姿を消した。




「起きろ~出発するぞ」


まだまどろみの中にいる俺をその声は容赦なくたたき起こした。


「いったいいつまで寝ているつもりだ、まぁ昨日はそれなりにしんどかったからな、無理もないか」


そう普段なら俺が先に起きているはずなのに今日はどうも体が重い。


確かに昨日の疲れがあるといえるだろう、だがなぜこの男はこんなにも元気なんだと思うが考えても無駄な気がするから考えないことにした。


「聞こえているのか、さぁ起きろ」


さすがに起きるかとまったりした動きで布団から這い出て答えた。


「あぁ、起きてるよ。おはようオヤジ」




「はぁ~ふぅ」


我ながらでかいあくびをしながら着替えて剣を携え階段を下りた。一回のフロントに行くとオヤジがチェックアウトを済ませて待っていた。


「よし、いくか」


そういったオヤジについていき宿を後にした。


町の大通りを歩きながらオヤジがにやにやした顔で言った。


「お前が寝坊とは珍しいこともあるもんだな、そんなにきつかったか昨日は」


オヤジはさも簡単にいうがそれはオヤジ目線の話であり俺からすればベヒーモスを三頭同時に一人で相手するのはかなりしんどかった。


自分の命を重んじるものであればここで素直に答えるのだろうが俺は今思春期真っ盛り、少しぐらい意地を張りたいお年頃なんだ。


「余裕」


結果的に大したけがもなかったからいいが結構やばい状況も何度かあった。これよりやばいのをまた一人で相手させられると今度こそやばい。


「ほほ~ん」


おそらくこの男は俺のそんな心中を薄々見破っているのだろう、いやな顔と嫌な声を出しやがる。


「じゃあ今度これよりやばいモンスターがいたらお前ひとりに任せてみるかな~」


「悪かった、正直きつかったんでやめてください死んでしまいます」


「ふっふっふよろしい」


オヤジはこんな感じだが16年前の魔界との大戦で戦い抜いて生き残った男だ、戦い方はすべてオヤジに教わったが未だ俺はこの男に勝てる気が全くしない。


16年前の大戦については全然話してくれないが戦争が終わった後、生まれたばかりで戦争孤児の俺を拾ってここまで育ててくれた。そして俺は今16歳になりオヤジの旅に同行しながら、戦い方だけじゃなくいろんなことを教わっている。


「オヤジ、次はどこに行くんだ」


今いるアカネイア大陸は世界一の大きさであり、多くの大国がある。北から旅をしてきて今真ん中あたりである。


「次はそうだな、一番近いのはウェルキア王国だな」


ウェルキアといえば、オヤジが前に話していた工業国家だ。大戦時世界で唯一戦車を実践投入するも、魔界の軍勢に圧倒され手も足でなかったという。


「ウェルキアには世界でも珍しい工業製品が多くある、行ってみると面白いぞ」


「ふ~ん」


「どうした、興味ないのか」


「いや、別に。それよりそこまでどのくらいかかるの?」


「だいたい歩いて7日ってとこかな」


「結構かかるな、途中に町や村は?」


「ないな」


これはきつい、野宿でひたすら歩くのはいいが何よりも風呂に入れないのがつらい。


水を生成する魔法が使えればいいのだが、あいにくオヤジは魔力適正がないため魔法だけは俺に教えることができない。


俺には魔力適正があるらしいがこれでは宝の持ち腐れである。


「これで川や湖が途中になきゃ一週間風呂なしか」


「少し遠回りになるが途中に湖はあるぞ」


「おっ、ついてる」


「寄っていくか?」


「もちろん!」


「じゃあそのルートで行こう」


「ん?」


「どうした?」


「なんかやけにあっさりしているなぁと」


「そうか?」


オヤジはキョトンとした顔でいった。


「いつもならここで俺に勝ったらな、とかいうのに」


そう、いつものノリならここで勝負になって俺の敗北でけりがつくのに今日はやけに気前がいい。


まぁここでつついて気が変わっても困るからこれ以上はやめておこう


「あぁ~、そうかそうか悪い悪いお前の気持ちにきずいてやれんで。悪かったそんな簡単だと面白くないってんだろ、よし今回も俺がお前の要求を呑む条件として勝負してやろう」


悲報、遅かった。


こうして町を出て俺たちは出発した。


だが、この後起こる悲劇を俺たちはまだ知らない。




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