スピード探偵姫宮ヤヒコ!
「というわけで犯人はお前だ」
ビシッと指を突き立て、お得意の「犯人はあんたなんだからね!」のポーズ。彼女こそ噂の名探偵姫宮ヤヒコ。またの名をスピード探偵姫宮。
彼女は今まさに、その名に恥じぬ難事件のスピード解決を成し遂げようとしていた。
彼女の指の先には一人の青年が白々しくも
「何事?」って顔で突っ立っている。
「は?ちょっ、待って!犯人って…俺!?てかこれ何の事件!?」実に白々しいとぼけ方である。しかし姫宮ヤヒコはその問いに丁寧に答えを返す。
「連続下着泥棒殺人事件」
「連続下着泥棒殺人事件!?」
青年はその言葉に思わず、声をあげた。明らかに、彼は動揺している。その反応だけでこの青年が犯人であるということを立証出来てしまうほどに。しかし姫宮ヤヒコは焦らない。じっくりと、しかしスピーディーに犯人を追い詰める。
「下着は女の命だ。それを盗んだ犯人は命を奪う殺人犯も同然。違うかい?」
彼女の言葉が核心を突く。
「や、違うだろっ!下着が女の命とか聞いたことねぇよ!だいたい下着泥棒殺人事件じゃ泥棒が殺されたみたいだし…」
彼はそのことで一種のパニック状態に陥った。もはや彼の言うことは支離滅裂。全く道理にそぐわない。額からは汗が噴き出し、目は血走っている。
その姿はあまりにも哀れで、姫宮ヤヒコは顔を背けたい気持ちで一杯になった。しかし、これが彼女の仕事だ。
姫宮ヤヒコは往生際の悪いその青年を怒鳴りつけた。
「そんなことはどうでもいい!」
「えぇぇええ!?」
彼は心底驚いた顔で姫宮ヤヒコを見た。こんな風に彼を叱ってくれる人物がいなかったためだろう。そしてそれこそが彼にこのおぞましい犯行を行わせた原因であることを姫宮ヤヒコは見抜いていた。
「さぁ、さっさと白状したまえ。「私がやりました」と。そうすれば今回は罰金という形で許してやらんこともない!」
「あんた何様!?」
街には犯人の悲痛な叫び声だけが虚しく響いていた…
こうして事件は無事スピード解決し、姫宮ヤヒコは今回も一人の憐れなる罪人を修羅の道から法の下へと導いた。
しかし、この世に人がいる限り彼女に安息の日々は訪れない。何故なら人間は生まれついての悲しき罪人なのだから…
「とりあえず十万円よこすんだ。いや、貸してください、返すから」
「ただのタカリかよ!」
相変わらずのへたっぴな文章ですが、こんなんでも感想なんかもらえると非常に有り難いです。あと只今連載中の「七人の小人少女」もよろしくお願いします<(_ _)>