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入学式の翌日、椿は美緒の事で胃が痛くなりながらも、学校へと向かった。

昨日よりも早い時間に登校したので、校門前の混雑に巻き込まれる事も無く、椿はスムーズに下駄箱まで到着する事が出来た。

そして、椿が下駄箱の扉を開けると、中に1通の手紙が入っている事に気が付いた。

何だろうかと椿は思い、手紙を手に取って見るが、差出人の名前は入っておらず白紙であった。

差出人の無い封筒を持った椿は、もしやこれは果たし状なのだろうか、と考え込む。

しかし、いつまでも玄関に突っ立ったままの訳にもいかず、椿は差出人の無い手紙を鞄にしまい、ゆっくりと読むために教室へと急いだ。


教室に行き机に鞄を置いた後、椿は生徒が登校してくるかもしれない教室ではなく、人に見られる心配の無いトイレの個室で手紙を読もうと考えて、手紙を持ちトイレへと向かう。

トイレの個室に入った椿はドキドキしながら、慎重に手紙の封を開けると中には1枚の便箋が折りたたまれて入っていた。

椿は中に入っていた便箋を取り出し、読み始める。


『朝比奈椿様。放課後、八雲杏奈様、水嶋恭介様と共にサロン棟3階、1番奥の部屋までお越し下さい』


便箋にはそれだけしか書かれていなかった。

そして、その便箋を読み終えた椿は、前日に言っていた運転手の不破の言葉を思い出す。


『恐らく一両日中に奴らから接触があると思われますが、お気を付けください』


これの事か!?


椿は便箋をマジマジと見つめ、本当に接触があったと感動していた。

便箋には杏奈と恭介を連れて来いと書かれていたので、椿1人ではない事に安心する。

今日は午前中で学校が終わってしまう為、早めに2人に伝えようと椿は手紙をポケットに入れトイレから出た。


そのまま椿はカフェテリアへと行き、カウンターで紅茶を注文する。

さすが中等部から金持ち学校の本領を発揮する鳳峰学園。朝早くから料理人達がせわしなく働いている様子が見えた。

カフェテリアでは朝の食事の提供は出来ないが、飲物だけであれば用意してくれるのだ。

カフェテリアの事は事前に両親から聞いていたので、椿はSHRショートホームルームまでの時間をここで過ごそうと考えていた。


紅茶をカウンターで受け取り、椿は学生証兼IDカードをレジに出し、支払いを済ませる。

一定額を給食費として毎月引き落としていた初等部と違い、中等部や高等部は学生証で支払いが出来るシステムとなっている。

学生証を使って支払いをすると、翌月に保護者の口座から利用した金額が引き落とされると言うシステムである。

カフェテリアの入口付近にプリペイドカードを売っている券売機もあるが、ほとんどの生徒は便利な学生証の方を使用している。

現金払いも可能であるが、一般家庭の生徒でない限り、現金払いをする生徒は存在しない。


支払いを済ませた椿がカフェテリアを見渡すと、同じ目的なのかチラホラと他の生徒の姿があった。

朝からこう言う場所に居る生徒は、一匹狼タイプである場合がほとんどである。

そう言う人間は、自分のテリトリーに踏み込まれる事を嫌っていて、他者のテリトリーには侵入せず無関心なタイプが多い。その為、椿としても他の生徒の注目を集めないので気が楽なのだ。

席に着いた椿は、ゆっくりと紅茶を味わいながら、30分程カフェテリアで過ごし、教室へと戻った。


クラスのSHRも終わり、午前中はホールで新入生歓迎会の行事がある為、生徒達はホールへと移動する。

新入生歓迎会では、上級生が舞台上で学校生活や、部活動の紹介をしていく。

特に間近にある4月の遠足と5月の芸術鑑賞、6月の体育祭の説明が丁寧にされていた。

部活動の紹介では、実演する部や活動内容の説明だけをする部と様々であった。

最後に生徒会長の言葉で締めくくられ、新入生歓迎会は終了した。


新入生歓迎会も終わり、休み時間になった事で、椿は恭介のクラスまで向かった。

恭介のクラスに行って入口から中を見ると、どこにも恭介の姿は見えなかった。

いや、恐らく女子生徒の固まりの中心に恭介がいるのであろうが、椿はそこに突撃する気力は無い。

その為、椿は側に居た生徒に恭介を呼んで欲しいと伝える。

椿に話し掛けられた少年は外部生なのか、椿を見ても怖がる様子が無く、至って普通に恭介に声を掛けに行く。

あの集団の中に突撃していくとは、少年はかなりメンタルが強い、と椿は感心していた。

少年から声を掛けられた恭介は、入口に居る椿を見て席を立ち、歩いてくる。


「お前の方から訪ねて来るなんて珍しいな」


普段の椿は、わざわざ恭介のクラスにまで足を運んだりしない事もあり、不思議に思っているのか、用件の見当がつかないのか、不思議がっている。

椿は短時間で簡潔に用件を伝えようと思い、恭介に向かって話し始める。


「伝えておきたい事がありましたのよ。恭介さん、放課後にサロン棟までお越し下さい」

「サロン棟まで?なんでだ」

「朝比奈側から派遣された方との顔合わせですの。恭介さんと杏奈さんを連れて来て欲しいと手紙に書かれておりましたから」


椿の話を聞き、頭の中で今日の予定を思い出していたのか、恭介が少し考え込んだ後に返事をしようと口を開く。


「……習い事も用事も無いから大丈夫だ。サロン棟の待合室で落ち合おう」

「では、そのように。それでは」


さて、次は杏奈だと、椿は恭介に別れを告げ、彼女のクラスまで足を向ける。

杏奈のクラスの近くまで来た椿は、杏奈が廊下で友人と喋っている姿を見て、呼び出す手間が省けたとホッとしていた。

椿の姿に気付いた杏奈は、喋っていた友人に断りを入れて、椿の方へと寄って来る。


「椿さん。どうかしたの?」

「放課後にサロン棟までお越し頂けます?朝比奈側から派遣された方との顔合わせがございますの」


話を聞いた杏奈は、「あぁ」と納得する様な声を上げた。


「朝比奈から派遣されているのは母から聞いてたから知ってるわ」

「話が早くて助かります。サロン棟の待合室でお待ちしておりますわ」

「了解」


それだけ言うと杏奈は、待たせていた友人達の元へと戻っていった。

やはり事前に知っていたのだなと思いながら、杏奈と別れた椿は自分のクラスへと帰って行った。


その後、クラスでは委員会やクラス係を決める時間となった。

昨日、学級委員に選ばれた2人が司会となり、ほんの少し前に決定した書記が黒板に委員会とクラス係の役職名を書いていく。


こう言う話し合いで最後まで残るのは体育委員だと経験で分かっていた椿は、比較的楽そうな図書委員になろうと思い図書委員の名前が呼ばれるのを待っていた。

ほどなく、図書委員に立候補する生徒は居ないかと問われ、椿は素早く、だが控えめに手を上げた。

他にも手を上げようとした女子生徒が数名居たが、椿が手を上げた事で諦めた為、揉める事も無く椿が図書委員に決定した。

そしてやはり、体育委員が最後まで残る結果となり、役職についていない生徒でじゃんけんを行って負けた生徒が不本意そうな顔を浮かべながらも体育委員をやる事になり、委員会決めは終了した。

1週間後に各委員会の集りがあり、顔見せと1年間の活動計画が話し合われる事になっている。


図書委員の仕事はカウンターに座って本の貸し出し・返却のサポート業務をする事が大半である。

当番は週に1度、1学年4クラスごとに行う事になっているので、もう1人の図書委員である男子生徒に変なプレッシャーをかけずに済みそうな事も、椿が図書委員を選んだ理由の1つであった。

それに昼と放課後の時間を潰せる理由が出来るのも非常に良い。


そして、授業終了のチャイムが鳴る。

担任から明日の予定を聞いた後に下校となった。

椿は帰り支度を済ませ、鞄を持ってサロン棟まで足を向ける。


鳳峰学園の中等部と高等部の境目に位置する3階建ての建物。それがサロン棟である。

1階に受付と待合室、そして、誰でも利用できる多人数収容型のサロンがあり、2階と3階は個室型サロンとなっている。

1階のサロンと2階3階の個室にはそれぞれ給仕が居て、飲み物やスイーツ等を提供してくれる。

3階は鳳峰の初等部出身の生徒しか利用する事が出来ず、初等部出身者の数少ない特典となっている。

本来であれば、新入生はまだサロン棟の使用は出来ないのだが、水嶋の御曹司とそのいとこだから特別に、と言う事なのだろう。


サロン棟を利用する時は全員が受付で学生証を提示しなければならない。

個室は基本的には予約制で1週間前から予約を受け付けている。

しかし、カフェテリアも利用できるので余程秘密の話をする事がない限り、サロン棟を利用する生徒はいない。

だが、4月と5月は新入生の予約が集中するのが慣例となっている。

試しに利用してみようとする新入生が多いと言う事だ。


椿は、受付で学生証を提示し、予約が入っているかどうかを確認した。

受付の女性はパソコンを操作し3階の1番奥の部屋が予約されていると教えてくれた。

手紙の通りだと思い、椿は受付の女性に礼を言い待合室のソファに腰を下ろした。


5分程して恭介と杏奈がサロン棟へとやって来る。

恭介は少し息が乱れており、椿の顔を見てどこか安心したような顔を見せた。


「どうなさったの?」

「撒いてきた」


誰を、だなんて言わなくても分かる。

撒いたと言うか、逃げてきたの間違いではなかろうかと椿は思った。


「それは…お疲れ様でした。では参りましょうか」


椿の言葉を聞き、控えていたスタッフが椿達を3階のサロンへと案内する。

3階の1番奥の部屋の前に来たスタッフはカードキーで扉を開け、椿達を中へと促した。

中に入った椿は、ソファに座り優雅にお茶を飲んでいる白衣姿の男性の姿を見て首を傾げる。

明るい髪色に整った顔立ちをしており、どこか軽薄そうな雰囲気を漂わせていた。

その側に給仕が直立不動で立っており、彼らの関係性が椿には全く分からなかった。


「水嶋恭介様、朝比奈椿様、八雲杏奈様でございますね。私、この部屋の給仕を務めております不破真人ふわ まさとと申します。どうぞお見知りおきを」


直立不動であった黒服の男性が綺麗なお辞儀をして挨拶する。

男性が不破と名乗った事から、彼が朝比奈家に仕える人物だと分かった。

朝比奈が派遣したのは彼の事だったのかと思ったが、運転手の不破が言っていたような個性的な部分は垣間見えなかった。

もしかしたら、直前で派遣する人が変わったのかもしれない。

と、言う椿の考えは優雅に紅茶を飲んでいる白衣姿の男性が発した言葉で覆る。


「それとこちらは……」


白衣姿の男性を紹介しようと口を開きかけた真人であったが、飲んでいた紅茶のカップをテーブルに置き、勢いよく立ち上がった白衣姿の男性によって遮られた。


「初めまして!鳳峰学園中等部の養護教諭してます護谷晃もりや あきらでっす!気軽にあっきー!って呼んでね☆」


ウインクをして自己紹介をする護谷に3人の容赦ない冷めた視線が突き刺さる。

軽薄そうな雰囲気だと椿は思っていたが、中身もそうであった事に戸惑いを隠せない。

運転手の不破が言っていたのはこっちの方かと椿は察した。


そう、朝比奈家に仕えている使用人一族は不破家だけではなく、もう一家族存在している。

それが護谷家だ。

椿の住む家には不破の使用人しか居ないのと、本家の使用人は主に年配の人が多い為、護谷晃とはこれが初対面であった。


「申し訳ございません。これは見た目と中身がアレですが、仕事は出来る人間ですのでご安心下さい」

「え、えぇ。……あの、では朝比奈側から派遣された方と言うのは」

「私と護谷でございます。戸惑いの方が大きいでしょうが、ご容赦下さい」


そう真人から説明され、椿は視線を護谷へと向ける。

彼は椿の視線に気付き、ニコニコと笑いながら手を振ってきた。


「護谷、お嬢様方の前だ。ちゃんとしろ」

「ちゃんとしてるって。でも護衛対象のお嬢様がこーんなに可愛い子で俺ってばラッキー」

「晃!」

「あづいあづいあづい!ティーポット頬に押し付けないで!」


護谷の口調に堪忍袋の緒が切れたのか、真人がまだ紅茶の入っているティーポットを彼の頬に押し付けた。

静かになった護谷はお手拭きで頬を冷やしながら恨みがましく真人を睨んでいる。

そんな晃の様子を気にする素振りも見せず、真人は説明をし始める。


「こちらの部屋は水嶋様、朝比奈様方専用となっております。水嶋春生様がお嬢様方が中等部をご卒業なさるまで、こちらの部屋を借りておりますので放課後であればいつでも利用可能でございます」

「至れり尽くせりですわね」

「これだから金持ちって」


やる事が桁違いであると若干呆れてしまった椿と杏奈であったが、気になる事があったので、椿は真人に質問をする。


「質問なのだけれど、私の友人も利用する事が出来るのかしら?」

「勿論でございます。受付で手続きさえして頂ければ可能です。ですが、その方が個人で利用する事は出来ません。あくまでも椿様方と同伴であれば可能でございます」

「なるほどね。理解したわ。ありがとう」

「とんでもございません」


真人の話を聞き、千弦や佐伯も利用する事が出来ると知った椿は安心する。


「その内利用する事もあると思いますが、これからよろしくお願い致します」

「こちらこそどうぞよろしくお願い致します」

「お茶とお菓子出すから保健室に遊びに来てね!」


護谷の軽口に真人が再びティーポットを手に持つと、すぐさま彼は口を閉じた。

口が閉じたのを確認した真人はため息を吐く。


椿達は、お茶をしに来た訳では無く、顔合わせだけだったので、そこで話は終わり、真人からサロン棟の利用方法を聞いた後に帰宅となった。


サロン棟を出た椿達は、校門前で各家の送迎車が来ている事を確認した後に、挨拶をして別れた。

椿は迎えに来ていた朝比奈の送迎車に乗り込み、軽くではあるがため息を吐く。

そして、車が走り出してしばらく外の景色を見ていた椿に不破が話し掛けてきた。


「どうでしたか?」


何の事か、椿にはすぐに分かった。不破が入学式の時に言っていた人物の事、つまり護谷晃の事についてだろう。


「貴方が言ってた以上の方ね。あっきーって呼んでくれと言われたわ」


椿は不破からの問い掛けに素直に答えると、珍しく、本当に珍しく不破が顔を歪めた。


「あのガキ…」

「不破、口調」

「申し訳ございません」


椿から注意を受け、すぐに不破は口調を正した。周囲から見ればお前が言うな状態であるが、そんなツッコミを椿にする人間は車内には居ない。


「あの男から何か不遜な扱いを受けませんでしたか?」

「大丈夫よ。悪い人ではなさそうだったもの」

「そうですか」


不破との会話を切り上げ、椿は再び窓の外を眺め始めた。


確かに悪い人では無いだろう。

あの時、護谷は笑顔で椿に接していた。

だが、彼の目が全く笑っていなかった事に椿は気付いていた。

それに護谷が言った言葉。


『でも護衛対象のお嬢様がこーんなに可愛い子で俺ってばラッキー』


あの場で朝比奈の関係者は椿と杏奈の2名。

だが、護谷は"可愛い子"だけで"達"を付けてはいなかった。

つまり、護谷の中で護衛対象は1人だけと言う事である。

それは母親の連れ子である椿ではなく、朝比奈家の長女の娘である杏奈を指していると考えて良いだろう。

護谷は椿を主人として認めていないと言う事だ。


前途多難と見るべきか、関係ないと捨て置くべきかを椿は考えていた。




場所は変わり、朝比奈本家に近い一軒屋の一室。

ソファに座った初老の男性が部屋に入って来た人物に向かって声を掛ける。


「椿様はどうだった?」

「……可もなく不可もなく、と言ったところですかね」

「お前の目に叶わなかった訳か」

「だぁって、あの子、朝比奈の血を引いてないじゃないですかー。大旦那様のご命令でなければ、護衛なんてごめんですよ」

「志信が聞いたら怒りそうなセリフだな」


志信と言う名前を聞いて護谷は苦笑いを浮かべる。

護谷よりも3歳上にあたる同じ使用人仲間の不破志信ふわ しのぶ

朝比奈椿の家に仕える運転手兼護衛。

護谷が幼い頃から憧れを抱いていた兄の様な存在。


「彼は、随分と椿様に入れ込んでいるようですね」

「お前と違って血縁よりも繋がりを大事にしているからだろう」

「失礼ですね。奥方様がたまたま薫様とご結婚されたから、朝比奈の名を名乗るのを許されただけの身でしょう。どこに敬う要素があるんですか」


護谷にとって大事なのは創始者である朝比奈の血を受け継ぐ人々とその配偶者だけだ。

他人の子である椿を敬う理由はどこにもない。


「仮に危険が迫ったところで、俺は杏奈様しか助けませんよ。椿様は水嶋家の者が守れば良い。元はあちらの人間でしょう?」

「……晃、口が過ぎるぞ」


護谷家の家長であり、護谷晃の伯父にあたる男性から注意され、護谷は言い回しを変える。


「大旦那様のご命令ですからね。ちゃんと守れる時は守りますよ。それ以外、俺は知らない。それだけです」


朝比奈の使用人は、椿に対して敬意を払っている者が大半である。

だが、中には護谷と同じように朝比奈の血縁者と配偶者にしか敬意を払わない使用人も存在している。

朝比奈家当主である椿の義理の祖父は、それらを踏まえて護谷を選んだ。

仕事が出来ると言う理由もあるが、きちんと客観的に報告できる人物を選んだのだ。


一方、護谷はサロン棟の個室で会った椿の事を思い返していた。

一見、気が弱そうで自己主張など出来ない弱々しい令嬢の見た目をしていたが、あれは相当狡猾な人間であると初対面で見抜いていた。

その証拠に、椿は護谷が誰を護衛対象として見ているかをあの場で察していた様に見受けられた。

護谷としては杏奈に危険が及ばなければ椿の事などどうでも良いのだ。あの場で自分が椿を主として認めていないとばれても、杏奈に危険が及ばなければ問題は何もないと護谷は考えていた。


椿は賢そうに見えたし、察しも悪くは無さそうだ。


「あの子は俺を楽しませてくれるかな?」


誰に聞こえるでもない小声で護谷は呟き、楽しそうに微笑んでいた。

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