第9話:謎の男
理 「どおしたの?拓」
拓の顔横から覗こうとする理沙。
拓 「ちょっ、何してんだよ!?」
慌てて理沙の顔を手で止める拓。
理 「ムゥ〜人がせっかく心配してあげてるのに〜」
頬を膨らませて拓の手を退けようとするが、理沙の力では拓の手は動かず手を握る形になってしまった。
拓 「!!!?はい!!!!????」
拓は頭から湯気が出るんじゃない?って思われるぐらいに顔を赤く染めていた。
理 「あぁー!!拓顔真っ赤かだ!!!」
理沙は拓の顔を一瞬だけ見えたらしくそう叫んだ後笑い出した。
拓 「うるせー!!……自分でも何でこうなっちまったのかが分からねんだよ」
理沙は笑いすぎて潤ませた目で拓を見た。
理 「ヒッ!ハ!ハハッ!!うんそうだろうね!!拓はフフッまだ自分に素直になってないんだよ」
目を指で拭きながら拓を見て言った。
拓 「俺が素直じゃない?」
理 「そうだよ。拓はいっつも自分の事より人の事ばっかり考えて、それに絶対人を困らすような事をしない。良い事だけどもっと周りを信用しなよ。拓は人の事ばっかで自分を見ようとしていないだよ」
拓 「俺の事が俺が分かっていない?」
理 「うん!!」
理沙は少しだけ体を離して拓を真っ直ぐ見た。
拓 「そうなのか。俺は何かを間違ってたようだな」
理 「うん」
拓 「でもその何かが分かんねー」
理 「大丈夫だよ拓。私が何時までも一緒に居るから」
理沙の顔が拓の顔に少しずつ近づいて行き、二人の唇が後5cmという所までという所で、
? 「痛でっ!!!」
拓の後方5mぐらいの所にある木の後ろから謎の男が倒れて来た。
? 「すっ、すいません!!!べ、別に覗いてた訳じゃありませんから!!良いムードだったからキスするかな〜って思っておもわず倒れてしまった訳じゃありませんから!!」
拓 「自分から喋ってんじゃねーよ。それと理沙!!お前は何をしてんだ!!」
理 「ん〜キスしようとした!!」
そして、拓の唇に軽く触れる。
拓 「!!!??テッてめぇ〜!!!」
理沙にデコピンをくらわす。
理 「痛った〜!!もう何すんの!」
拓 「こっちの台詞だ!!お前が女じゃなかったら今ごろ炭になってるぞ!!!」
理 「流石に男だったらキスはしないよ」
拓 「う、うるせー!!取り敢えず今後一切あんな事をするな!!分かったか!!」
理 「は〜い」
拓 「それで良し!!
次はお前だ!!」
次に拓は男を指した。