第3話:目覚め3
暗い世界拓以外は誰もいない。
拓 《またこの夢か》
そんな事を思いながらも一歩ずつ確かめるように歩きだす。
? 《拓、聞こえますか?》
突然頭に直接響いてくる声がきた。
拓 「またお前か!!いい加減に名前ぐらい教えやがれ!!!!」
声を荒げて誰も居ない空間に叫んだ。
? 《あなたにもうすぐ大変な事が起きます。それは今までの生活と別れて、新たな人達との出逢いが有ります》
拓の質問に答えずに落ち着いた口調で喋れ続ける。
拓 「はぁ?何だよそりゃ?意味分かんない事ばっか言ってんじゃね………グッハ!!」
頭の中を壊してしまいそうな痛みが突然襲ってきた。
それと同時に暗い世界に一筋の光が入ってきた。
それは次々に入ってきていつの間にか辺りは光で覆われていた。
そして拓は夢の世界から現実の世界に引き戻された。
拓 「くそ!何だよあの夢は!?」
小さな声でそう呟く。
〈ギシィ〉
拓 「!!」
階段の軋む音が拓の耳に聞こえてくる。
拓 《なんだこれは!こんな殺気を出す奴はそんなに居ないぞ!!》
自分に殺気が放たれているのが分かった拓は横に置いてある木刀を手にし構える。
その人は拓の部屋のまで止まりドアノブに手を掛けた。
ドアが静かに開いた。
拓は相手を見て目を見開いた。
拓 「せ、先生」
目の前に立っているのは間違いなく瀬戸迅だった。
しかし彼が持っているのは木刀ではなく鞘に収めてある日本刀と、左手には真っ黒なハンドガンが握られていて、本当に殺気を拓に向けていた。