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舞台裏・カウントダウン

『あれ? 泰介、携帯かな。何か光ってる』

 萩宮からの帰りの電車の中で、小首を傾げた葵が泰介の鞄を指さす。御崎川へ向けて走る電車の中に夕焼けの光が射し込んで、扉付近に立つ二人へ優しい光を投げかけていた。

 後は、帰るだけ。そんな電車の中で受けた、突然の指摘だった。

 泰介は、肩から掛けた鞄を見下ろす。自分達にとっての正装という構えで制服を着ていたが、いつものスポーツバッグではなく、最小限の荷物が入る小さめの鞄にしていた。

 灰色の鞄の生地を透かせて、ぽつ、ぽつ、と白いランプが明滅している。マナーモードにしていた携帯が、メールか着信を受けたのだろう。

『ああ。よく気づいたな』

 そう答えながら泰介は、鞄から携帯を取り出して――固まった。

『泰介?』

 顔を強張らせた泰介を、葵が不思議そうに呼んだ。

『……どうした、の……?』

 ただならぬ表情のまま何も言わない泰介を、怪訝に思ったのか。葵は徐々に顔色を不安そうなものに変えて、泰介の手に握り締められた携帯に、視線を落とす。

 そして、泰介同様に固まった。


 着信――四十二件。

 新着メール――二十五件。

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