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第2話

後書きに解説を拙い文で書いているのでよかったらどうぞ。

質問があれば答えられる範囲で答えます。

 俺は高校入学までは受験勉強で忙しくてクラブには顔を出さなかった。


 今日は高校の入学式。

 それが終わったとちょうどくらいに聡志から「今日からクラブ来れるだろ」と連絡が来た。俺は「うん」と返す。


 久しぶりに体操をすることに少しの緊張と楽しみを抱えながらクラブの扉を開けた。

 中にはもう聡志がいて、足の調子はかなり良さそうだった。


「久しぶりだな奏」

「そうだね」


 俺たちは少しの他愛もない会話をした後体操の話になった。

 聡志は他愛もない会話をしているときよりも体操の話をしているときの方が楽しそうだ。


「俺と奏の目標は奏がオリンピックに行くことだ。そのための最初の段階としてまずはインターハイに出る」

「そうだな」


 通ってる高校に体操部がないので俺は個人でインターハイに出ることになる。

 愛知県で個人インターハイに出るには県総体(愛知県総合体育大会)で上位6位以に入らないとならない。

 体操は県総体で地方大会の出場権と全国大会インターハイの出場権を争う。つまり地方大会でどんな成績を収めようと全国大会にはつながらない。

 すべては県総体で決まるのだ。


 聡志は俺の目を真剣に見た。


「俺たちがインターハイに出られるチャンスは高校生活で3回しかない」

「ああ、だから俺は今年行くつもりだぞ」

「当たり前だ。だから最初のチャンスは1か月後の県総体」


 ――――

 

 俺は久しぶりの練習ということなのでしっかりアップした後基礎の確認をした。


 床(四角形の周りが青や緑で囲われているマットの器具)でとりあえず飛び跳ねた。やっぱり久しぶりだと体感が鈍っている。


「おい!体感鈍ってるじゃんか!」


 聡志の言葉に俺は雑に返事をした。自分で分かっていることを他人から指摘されることほど腹立つことはない。


 次にバク転をしてみる。


「……ンッ」


 やっぱ体固くてやりにくいな。一旦5連続くらいやってみるか。


 ……ふう。まあ及第点か。さすがに5回もすると目が回る。

 その後もしばらく体を動かして俺は鉄棒に行った。


 久しぶりにタンマ(手に付ける白い粉)を手に付けた。

 体操を始めたばかりの時は服が汚れるからって付けるのを躊躇していたのに今は被るかのように付けられる。

 そしてプロテ(鉄棒から手が離れにくくなるようにするために手のひらに付けるもの)をつけて、さらにプロテにもタンマをつけた。


 鉄棒を握る。

 あーこんな感じだったわ。

 鉄棒の冷たさと硬さが俺の手から伝わる。


 とりあえず車輪してみるか。

 俺は足をグングン振る。

 そして10周ほど車輪をした。


 ……うん。車輪は余裕だな。

 と思っていたところ聡志が声を張り上げる。


「足伸ばせ!」


 あーはいはい。伸ばしますよ。


「つま先も!」


 はいはい。

 


 次は失敗した跳馬だ。

 助走路に立つと前の失敗したときの情景が思い浮かぶ。

 もうできるなら失敗したくない。


 とりあえず軽く飛んだ。

 まあ成功できる。基礎の基礎だからな。



 


 このような練習を1週間も本気で続けると全中の演技が現役の時のようにできるようになった。

 そんなある日。

 聡志は高校の体操競技におけるルールブックを持ってきた。


「そろそろ新しい技の練習しないか?」


 体操の点数は技の綺麗さと技の難しさで決まる。

 選手には持ち点が10点与えられる。難しい技をすると技の難度に応じて加点。技が汚いと汚さに応じて減点されていく。

 俺はあまり難しい技をするタイプではない。どちらかというと減点を少なくして高いスコアを出すタイプだ。全中に出場した時も基礎的な比較的簡単な技で固めて減点を減らして高スコアを出していた。

 そうしていた理由は単に難しい技をするのが嫌いだからだ。難しい技は怖いし、痛い。


 聡志は高難易度を大量にぶっこむような天才だった。あいつはむずい技を怖がらない。


「新しい技って何する?」

「とりあえず床でのダブルだな」


 聡志が言うダブルというのは前方抱え込み2回宙返りか後方抱え込み宙返りかのどちらかのことだ。


「奏は前方か後方どっちがしたい?」


 俺はこの質問にものすごい悩む。

 難易度は後方の方が簡単だ。しかしここには大きな問題がある。俺は後方系の技が苦手なのだ。

 じゃあ前方したらいいじゃん。というわけなのだが前方系は普通にむずすぎる。


 後方ダブル(後方抱え込み2回宙返り)は難度C。

 前方ダブル(前方抱え込み2回宙返り)は難度D。



 ……まあやるなら後方ダブルか。

 難しい技は俺にはちょっと厳しい。

 

「俺は後方にする」

「だと思ったよ。じゃあ俺が教えてやる」

この物語の体操のルールは去年(2024年)以前のものです。


解説:体操競技は全種目(床、鞍馬、吊り輪、跳馬、平行棒、鉄棒)10個の正式に認められた技を行い、その点数で競います。

技を7個以上した時点で10点があたえられます。

足りないと足りない分に応じて10点から減点。


Eスコアは技の綺麗さを指すものです。

膝を伸ばす技で曲がってる、足を閉じる技で開いてる、

など美しくない技をすると10点から引かれていきます。


Eスコア8.50

という場合これは減点が1.50点あったということです。


Dスコアは技の難しさを表す点です。理論上Dスコアだけで10点を超えることができます。(実現不可能)

A難度の技の場合加点0.1もらえます

B難度の技の場合は0.2

C難度の技の場合は0.3

………..

というように増えていきます。


その他にグループという概念があるのですが、それはまた今度。(ややこしいので私が説明するのが嫌なだけ)


その他に色々加点はありますが、一旦はここまで。


最後に。


決定点はDスコアとEスコアの合計点で決まります。


Dスコア8.50

Eスコア3.0

の場合の最終的なその種目の点数は

11.50点


ちなみに11.50もあれば正直地方大会狙えます。

それほど高いスコアです。


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