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変化 (1)
僕はこの孤独感から逃れるように、外に出た。
1歩踏み出した瞬間、まだ暑さの残る夏の風が勢いよく吹いてきた。
生ぬるい風は、少し気持ちが悪い。
その風に背中を押されながら、まだ明るい町の中を歩き出した。
見慣れた道、家、標識。
今日は夏休み終盤の日曜日だからか、元気に友達と遊んでいる子供たちや家族連れと多くすれ違った。
つい3ヶ月前までは、僕も普通にこの道を歩いていたのにな、と思い返す。
同時に、まだあれから3ヶ月しか経っていないことに驚きを覚える。もう随分昔のことみたいだ。
あの頃は何もかもがどうでもよかった。
もう、生きている意味なんてなかった。
だから、独りの孤独感も耐えられた。
でも今は違う。
麗と出会って、ゆっくりでいいから自分で自分を許そうと、そう思えるようになった。そしてまた、失いたくない大切ができた。
"できてしまった"
だから孤独感が怖いのだ。
目的地もなくただ歩いていた僕は、気づけば河川敷にたどり着いていた。
意味もなく、草の上に寝転んだ。
青臭い匂いが鼻をかすめる。
僕はゆっくりと目を閉じた。
ああ、次に目を開けたら、横には母さんと誠と麗がいて、全てドッキリでしたってならないかな。
別に怒らないから。
生きていてくれさえいれば、もうどうだっていいから。
目を閉じたまま、何度したか分からない無意味な妄想を繰り返した。




